Cinema Paradiso

2026年3月19日 (木)

2026年アカデミー賞総括!

さて、先日公開した僕の受賞予想で外れたのは撮影・長編ドキュメンタリー・短編アニメーション・短編実写映画・キャスティングの各賞で計5部門。つまり全24部門中19部門的中した。まずまずの成績だろう。

ちなみに星海社新書から刊行されている【なぜオスカーはおもしろいのか? 受賞予想で100倍楽しむ「アカデミー賞」】の著者、 Ms.メラニーは今年18部門的中だったので、また勝った。

作品賞と新設されたキャスティング賞が一致するのはつまらない。この状況があと5年続いたら「キャスティング賞不要論」が噴出するに違いない。

『ワン・バトル・アフター・アナザー』のショーン・ペンはこれが3回目のオスカー受賞。果たしてそれほどの役者だろうか?大いに疑問である。だってあのメリル・ストリープと同数だぜ!?授賞式に出席もしないし、やはりすごく感じ悪い(ウクライナでゼレンスキー大統領と面会していたらしい)。どうしても好きになれない。

『罪人たち』のオータム・デュラルド・アーカポーは女性として初めて撮影賞を受賞したのだそうだ。これは大いに喜ばしい。

主演男優賞をまたしても逃したティモシー・シャラメは気の毒だが、考えてみればもし彼が受賞していれば演技賞の4人全員が白人になってしまうわけで、またSNSで#OscarsSoWhite(アカデミー賞はあまりに白い)というハッシュタグが流行し、叩かれる事態になりかねなかった。だから『罪人たち』のマイケル・B・ジョーダン受賞は妥当だったと言えるだろう。

さて、黒人がアカデミー監督賞を手にするのはあと何年後になるのだろう?(女性は既に2人受賞している)

 

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2026年3月14日 (土)

2026年アカデミー賞大予想!

恒例の第98回 米アカデミー賞受賞予想である。2026年の授賞式は日本時間3月16日(月)に開催される。自信がある(鉄板)部門には◎を付けた。

 ・ 作品賞:ワン・バトル・アフター・アナザー◎
 ・ 監督賞:ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』◎
 ・ 主演女優賞:ジェシー・バックリー『ハムネット』◎
 ・ 主演男優賞:マイケル・B・ジョーダン『罪人たち』
 ・ 助演女優賞:エイミー・マディガン『ウエポンズ』
 ・ 助演男優賞:ショーン・ペン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
 ・ キャスティング賞:罪人たち◎
 ・ 脚本賞(オリジナル):ライアン・クーグラー『罪人たち』◎
 ・ 脚色賞(原作あり):ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』◎
 ・ 視覚効果賞:アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ◎
 ・ 美術賞:タマラ・デヴェレルシェーン・ヴィア『フランケンシュタイン』◎
 ・ 衣装デザイン賞:ケイト・ホーリー『フランケンシュタイン』◎
 ・ 撮影賞:マイケル・バウマン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
 ・ 長編ドキュメンタリー賞:パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか(Netflix)
 ・ 短編ドキュメンタリー賞:あなたが帰ってこない部屋(Netflix)
 ・ 編集賞:アンディ・ユルゲンセン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
 ・ 国際長編映画賞:センチメンタル・バリュー◎
 ・ 音響賞:『F1』
 ・ メイクアップ&ヘアスタイリング賞:『フランケンシュタイン』◎
 ・ 作曲賞:ルドウィグ・ゴランソン『罪人たち』
 ・ 歌曲賞:"Golden"『K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ』◎
 ・ 長編アニメーション賞:K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ◎
 ・ 短編アニメーション賞:バタフライ(Papillon)
 ・ 短編実写映画賞:ドロシーの友人

作品賞・監督賞は確実だが、今年一番分からないのは演技部門だ(ただし主演女優賞を除く)。主演男優賞は『マーティ・シュプリーム』のティモシー・シャラメ、助演女優賞は『罪人たち』のウンミ・モサクかも知れない。また、助演男優賞は正直『センチメンタル・バリュー』のステラン・スカルスガルドが取って欲しい。ショーン・ペンはあんまり好きになれないんだよね。

新設されたキャスティング賞。作品賞と同じだったら意味がないよね。

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2025年12月31日 (水)

2025年映画ベスト30選+個人賞発表(ファム・ファタール賞もあるよ)!

2025年に初めて日本で劇場公開された作品、並びに配信された映画のなかからベスト作品を選んだ。ただし、『アドレセンス』『セヴェランス』『ザ・スタジオ』『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』といったTV シリーズ/ミニ・シリーズは対象外である。

【映画ベスト30】

1. チェインソーマン レゼ篇
2. ワン・バトル・アフター・アナザー
3. ウィキッド ふたりの魔女
4. 教皇選挙
5. トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦 
6. アプレンティス ドナルト・トランプの創り方
7. 国宝
8. ふつうの子ども
9. 罪人たち
10. ナイブズ・アウト ウェイク・アップ・デッドマン(Netflix配信)
11. フロントライン
12. ブルータリスト
13. フランケンシュタイン(Netflix配信)
14. スーパーマン
15. F1/エフワン
16. ハウス・オブ・ダイナマイト(Netflix配信)
17. 野生の島のロズ
18. サブスタンス
19. K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ(Netflix配信)
20. ジェイ・ケリー(Netflix配信)
21. 旅と日々
22. 秒速5センチメートル(実写版)
23. 名もなき者 COMPLETE UNKNOWN
24. 今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は
25. リアル・ペイン~心の旅~
26. 天国と地獄 Highest 2 Lowest(Apple TV+ 配信)
27. 藤本タツキ17-29(Part-1,2)
28. ノスフェラトゥ
29. ひゃくえむ。
30. 悪い夏
次点. ANORA アノーラ
次々点. Flow
次々々点. WEAPONS/ウェポンズ

【個人賞】

ファム・ファタール賞:上田麗奈「チェンソーマン レゼ篇」レゼ役
主演女優賞:河合優実「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」「悪い夏」「旅と日々」
助演女優賞:アリアナ・グランデ「ウィキッド ふたりの魔女」
主演男優賞:レオナルド・ディカプリオ「ワン・バトル・アフター・アナザー」
助演男優賞:ルイス・クー「トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦」 
監督賞:ポール・トーマス・アンダーソン、あるいは、PTA! PTA!!PTA!!!「ワン・バトル・アフター・アナザー」
オリジナル脚本賞:高田亮「ふつうの子ども」
脚色賞:ポール・トーマス・アンダーソン、あるいは、PTA! PTA!!PTA!!!「ワン・バトル・アフター・アナザー」
作曲賞:ジョニー・グリーンウッド「ワン・バトル・アフター・アナザー」/牛尾憲輔「チェンソーマン レゼ篇」
歌曲賞:米津玄師:"JANE DOE"「チェンソーマン レゼ篇」
撮影賞:オータム・デュラルド「罪人たち」
美術賞:ネイサン・クロウリー、リー・サンデルズ「ウィキッド ふたりの魔女」
衣装デザイン賞:ポール・タゼウェル「ウィキッド ふたりの魔女」
編集賞:スティーヴン・ミリオン「F1/エフワン」

【コメント】

僕にとってファム・ファタールの定義は〈その人のためだったら破滅してもいい、命を失っても構わないと思える女〉である。そして「チェンソーマン レゼ篇」にはなんとファム・ファタールが二人も登場する。言わずもがなマキマさんとレゼだ。クゥーッ!痺れるぜ。上田麗奈の声の演技には陶然となった。まさにこれぞ男を狂わす魔性の女。最早ひれ伏すしかない。

河合優実は昨年「ナミビアの砂漠」「あんのこと」で各映画賞の主演女優賞を総なめにしたわけだが、今年も気を吐いた。僕が挙げた作品以外にも今年は「敵」「ルノワール」があり、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い、〈インディーズ(独立プロ)の女王〉の名をほしいままにしている。あとNHK朝ドラ「あんぱん」美人3姉妹の次女"蘭子"役も光り輝いていた。主演の今田美桜が気の毒なくらい。

レオナルド・ディカプリオはアカデミー主演男優賞を(お情けで)受賞した「レヴェナント:蘇りし者」よしも、その後の肩の力が抜けたコメディー路線の方が断然好きだ。いや~「ワン・バトル・アフター・アナザー」のダメ親父、最高!!

アカデミー作品賞・監督賞を受賞した「ANORA アノーラ」よりも、ショーン・ベイカー監督の映画なら前作「レッド・ロケット」の方がしみじみ良かった。これは恐らく多くの人が同意してくれる筈だ。

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2025年10月16日 (木)

近況報告(あるいは、なぜ当ブログは最近更新頻度が低下しているのか?)

最近、記事の更新を怠っていて読者に対して申し訳なく思っている。事情を説明しよう。

ふと「フランス語を勉強しよう!」と思い立ち、2020年4月からNHKラジオ『まいにちフランス語』を3年間聴いた。

それと並行して22年4月から『まいにちドイツ語』を3年、23年4月から『まいにちイタリア語』を聴いている。

週に6日ラジオ講座を聴いて学習期間は25年4月に1500日を達成、イタリア語とドイツ語講座の聴講はそれぞれ1000回を超えた(来年度からフランス語に戻ろうと考えている)。同じ日に3つ以上の放送を聴いたのは現在520回に上る(ラジオストリーミング『NHKゴガク』で自分の視聴履歴が確認出来る)。だからブログを書く時間的余裕がなくなった。

まさに「五十の手習い」である。動機となったのは以下の通りだ。

僕は中学生の頃からオペラを愛好していた。まずはヴェルディやプッチーニのイタリア・オペラ、そしてワーグナー(ドイツ)が作曲した楽劇『ニーベルングの指環』(全4夜)のLPレコードをお小遣いをためて購入し、熱心に聴いた。たしか全部で16枚だったと記憶している(『ラインの黄金』3枚+『ワルキューレ』4枚+『ジークフリート』4枚+『神々の黄昏』5枚)。1980年前後の話だ。当時LPレコードには日本語対訳が添付されており内容の理解には困らなかった。

配信時代の今、逆に歌詞対訳を手に入れることが難しくなってしまった(対訳付きCDのニューリリースもコストが嵩むのでなかなか困難だ。CDの売上は落ち込むばかりで、はっきり言って採算が取れない)。

そういった経緯でオペラやベートーヴェンの第九の歌詞を原語で理解出来たら楽しいだろうな、と思った。ただ想定外の事態が発生した。先日より『ニーベルングの指環』対訳本を購入し勉強し始めたのだが、なんと!現在の辞書には載っていない中世ドイツ語とか、古ゲルマン語がいくつも登場するのだ。そうか、この作品は神話の世界を描いており、現代の日本人が『古事記』とか『源氏物語』を原文で理解しようとしても困難なのと多分似ているのだろう。

フランス語についてはフランソワ・トリュフォー監督の『大人は判ってくれない』『恋のエチュード』やジャン=リュック・ゴダール監督『気狂いピエロ』、ジャック・ドゥミ監督『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』などヌーベルバーグの作品理解に役立つだろうと考えた。イタリア映画もフェデリコ・フェリーニの『カビリアの夜』『甘い生活』『8 1/2』とかルキノ・ヴィスコンティ監督『山猫』『ルートヴィヒ/神々の黄昏』、あるいはジョゼッペ・トルナトーレ監督『ニュー・シネマ・パラダイス』なんか大好きだしね。クラシック音楽の楽譜も「アレグロ」とか「アダージョ」とか全てイタリア語で表記されている。

先日、テレビでNHK交響楽団の定期演奏会を視聴していたら音楽監督ファビオ・ルイージのインタビューがあった。彼はイタリア語で話していたのだが、その半分くらい何を言っているか聴き取れたので嬉しかった。

オーストリア・ウィーン在住のある日本人音楽家夫婦がYouTubeで語っていたのだが(夫はウィーン放送交響楽団に在籍)言語とその国の音楽には密接な関係があるのだという。確かにJ.S.バッハやベートーヴェンの音楽とドイツ語の硬い響き、ドビュッシーやラヴェルなど柔らかく曖昧模糊として拍子がはっきりしない印象派の音楽とフランス語には共通点がある。つまり言語学習は音楽理解にも役に立つ。

日本語、英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語。さて、次はどうしよう?いま取り組みたいと考えているのはラテン語。公用語としてはバチカン市国でしか話されていない特殊な言語である。映画『教皇選挙』では台詞に沢山取り入れられていた。イタリア語のルーツであり、イタリア人にとっては日本の中学・高校で古文を勉強するような感覚だろう。そしてフランス語とスペイン語もラテン語から派生した言語。だからヨーロッパの中学・高校ではラテン語が選択科目になっている。一般教養として重要なのだ。

レクイエムやその他のミサ曲など、宗教音楽は全てラテン語で歌われる。だから習得したい。ただし学習には難点があって、残念ながらNHKの語学講座にはないんだよね。しばらく独学でやってみよう。

何事を始めるのにも決して遅すぎることなどない。そうつくづく思う今日このごろである。僕はこのことをこよなく愛する大林宣彦監督の映画『はるか、ノスタルジィ』から学んだ。

(追伸)なお毎年恒例、年末の映画ベスト20(または30?)や来年のアカデミー賞大予想は実施する予定だ。乞うご期待。今年観た作品では『ワン・バトル・アフター・アナザー』『チェンソーマン レゼ編』『ハウス・オブ・ダイナマイト』『教皇選挙』『ウィキッド ふたりの魔女』『国宝』とか痺れたなぁ。あ、アカデミー作品賞・監督賞を受賞した『ANORA アノーラ』はイマイチ。

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2025年9月26日 (金)

柳家喬太郎なにわ独演会2025

9月21日(日)ドーンセンターホール@大阪市へ。

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昼の部

 ・ 柳家喬太郎:白日の約束 
 ・ 坂本頼光:無声映画『日の丸太郎武者修行の巻』『赤ずきん』
 ・ 柳家喬太郎:品川発廿三時廿七分(三遊亭圓朝 作『離魂病』より)

夜の部

 ・ 柳家喬太郎:梅津忠兵衛(小泉八雲 作)
 ・ 坂本頼光:無声映画『國士無双』(伊丹万作 監督)
 ・ 柳家喬太郎:鳥もつ煮込み

喬太郎は安定の面白さなのだけれど、今回なんといっても目をみはったのが坂本頼光の活弁。特に伊丹万作(伊丹十三の父)の『國士無双』(1932)はすっとぼけたコメディで秀逸の出来であった。もともとの上映時間は84分だが、現在見られるのは21分の短縮編集版であり、とても残念なことだ。

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2025年3月 2日 (日)

2025年 アカデミー賞大予想! 

恒例の第97回 米アカデミー賞受賞予想である。2025年の授賞式は日本時間3月3日(月)午前9時から開催される。自信がある(鉄板)部門には◎を付けた。

 ・ 作品賞:『教皇選挙』
 ・ 監督賞:ショーン・ベーカー『ANORA アノーラ』◎
 ・ 主演女優賞:デミ・ムーア『サブスタンス』◎
 ・ 主演男優賞:ティモシー・シャラメ『名もなき者』
 ・ 助演女優賞:ゾーイ・サルダナ『エミリア・ペレス』◎
 ・ 助演男優賞:キーラン・カルキン『リアル・ペイン 心の旅』◎
 ・ 脚本賞(オリジナル):ジェシー・アイゼンバーグ『リアル・ペイン』
 ・ 脚色賞(原作あり):ピーター・ストローハン『教皇選挙』◎
 ・ 視覚効果賞:『デューン 砂の惑星 PART2』◎
 ・ 美術賞:ネイサン・クロウリー『ウィキッド ふたりの魔女』◎
 ・ 衣装デザイン賞:ホリー・ワディントン『ウィキッド』◎
 ・ 撮影賞:ロル・クローリー『ブルータリスト』◎
 ・ 長編ドキュメンタリー賞:ノー・アザー・ランド 故郷は他にない◎
 ・ 短編ドキュメンタリー賞:ザ・レディ・イン・オーケストラ NYフィルを変えた風
 ・ 編集賞:ニック・エマーソン『教皇選挙』◎
 ・ 国際長編映画賞:アイム・スティル・ヒア(ブラジル)◎
 ・ 音響賞:『デューン 砂の惑星 PART2』◎
 ・ メイクアップ賞:『サブスタンス』◎
 ・ 作曲賞:ダニエル・ブルンバーグ『ブルータリスト』◎◎◎
 ・ 歌曲賞:“El Mal”『エミリア・ペレス』
 ・ 長編アニメーション賞:野生の島のロズ
 ・ 短編アニメーション賞:フシギなフラつき
 ・ 短編実写映画賞:The Man Who Could Not Remain Silent

今年最大の博打は作品賞と主演男優賞である。巷では作品賞が『ANORA アノーラ』、主演男優賞は『ブルータリスト』のエイドリアン・ブロディが最有力と言われている。『ANORA アノーラ』を観たが、僕は作品賞にふさわしい内容と思えなかった。Sex workerが主人公で成人指定(R18+)されており、万人向けではない。面白い作品だし、カンヌ国際映画祭で最高賞パルム・ドールを受賞するのは理解出来るのだけど。

『ブルータリスト』も『名もなき者』も鑑賞済みだが、ティモシー・シャラメの演技は本当に素晴らしかった。スターとしてのオーラがある。ティモシーがもし主演男優賞を受賞したら、現在29歳ということで『戦場のピアニスト』で受賞した時のエイドリアン・ブロディと最年少受賞タイ記録ということになる。

レオナルド・ディカプリオが『レヴェナント』で受賞したのが41歳、ブラット・ピットが『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で受賞したのが56歳。イケメン男優に演技力があることを認めるのが余りにも遅すぎるという【ハリウッド業界人の悪癖】を、ここで打破すべきだ。女優の場合は20歳代でも惜しげもなくオスカーを与えるくせに(グウィネス・パルトロー【疑惑の】受賞は25歳、ジェニファー・ローレンスは22歳、シャーリーズ・セロンとエマ・ストーンは28歳、リース・ウィザースプーンは29歳)。まあ女優は【旬】が短いから早めに与えているというのはあるのだけれど。グウィネスは消えてしまったし、リースは最早映画スタジオからお声がかからないため、テレビ・シリーズに活路を見いだしている。

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2024年12月30日 (月)

2024年映画ベスト30+個人賞+今年はテレビドラマも!

毎年恒例、映画ベストを発表しよう。2024年に劇場で初公開された作品及び、Netflix, Amazon Prime Video, Max(日本ではU-NEXTと提携)などインターネットで配信された作品を対象とする。また今回は連続テレビドラマ(Limited Series)も特別賞として取り上げる。

配信まで待てばいいかと高をくくって見逃した作品がいくつかある。『パスト ライブス/再会』『侍タイムスリッパー』『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』『悪は存在しない』『グラディエーター2』『ロボット・ドリームズ』などは後日適宜追加していくだろう。

個人賞については2020年にベルリン国際映画祭で男優賞・女優賞という区別が廃止され、主演俳優賞・助演俳優賞に置き換えられた。日本でも毎日映画コンクールで今年から演技賞が統合され、男女を問わず主演・助演それぞれ2人までを選ぶ方法となり、そのシステムを当ブログでも採用することに決めた。

それではいってみよう。

 1.デューン 砂の惑星PART 2
 2.チャレンジャーズ
 3.ルックバック
 4.哀れなるものたち
 5.オッペンハイマー
 6.夜明けのすべて
 7.関心領域
 8.ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ
 9.マッドマックス:フュリオサ
 10.  落下の解剖学
 11.異人たち
 12.  カラーパープル(ミュージカル版)
 13.ブリッツ ロンドン大空襲(アップルTV+配信)
 14.陪審員2番(ワーナー・ブラザース → Max → U-NEXT配信)
 15.ラストマイル
 16.エイリアン:ロムルス
 17.  ナミビアの砂漠
 18.ジョン・ウィリアムズ/伝説の映画音楽
   (ドキュメンタリー/ディズニープラス配信)
 19.ボーはおそれている
 20.ミッシング
 21.あんのこと
 22.アメリカン・フィクション(Amazon プライム・ビデオ配信)
 23.シビル・ウォー アメリカ最後の日
 24.憐れみの3章
 25.カラオケ行こ!
 26.瞳をとじて
 27.オーメン・ザ・ファースト
 28.デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション
 29.ジム・ヘンソン:アイディアマン
   (ドキュメンタリー/ディズニープラス配信)
 30.マリウポリの20日間(ドキュメンタリー/NHKで放送)
 31.  ツイスターズ
 32.Cloud クラウド
 33.18x2君へと続く道
 34.あのコはだぁれ?

特別賞(テレビドラマ部門)『ディスクレーマー 夏の沈黙』(アップルTV+)/『海に眠るダイヤモンド』(TBS)/『虎に翼』(NHK)/『地面師たち』(Netflix)/『ベイビーわるきゅーれ エブリデイ!』(テレビ東京)

監督賞:ドゥニ・ヴィルヌーヴ(デューン 砂の惑星PART 2)/アルフォンソ・キュアロン(ディスクレーマー 夏の沈黙)
主演俳優賞(映画):エマ・ストーン(哀れなるものたち、憐れみの3章)/河合優実(あんのこと、ナミビアの砂漠、ルックバック)
主演俳優賞(Limited Series):ケイト・ブランシェット(ディスクレーマー 夏の沈黙)/豊川悦司(地面師たち)
助演俳優賞(映画):ジェシー・プレスモン(シビル・ウォー アメリカ最後の日)/マーク・ラファロ(哀れなるものたち)
助演俳優賞(Limited Series) :杉咲花(海に眠るダイヤモンド)/ピエール瀧(地面師たち)
脚本賞(オリジナル):野木亜紀子(ラストマイル、海に眠るダイヤモンド)
脚色賞(原作あり):トニー・マクナマラ(哀れなるものたち)
撮影賞:グリーグ・フレイザー(デューン 砂の惑星PART 2)/エマニュエル・ルベツキ、ブリュノ・デルボネル(ディスクレーマー 夏の沈黙)
作曲賞:ルドウィグ・ゴランソン(オッペンハイマー)
編集賞:マルコ・コスタ(チャレンジャーズ)
歌曲賞:幾田りら feat. ano「青春謳歌」(デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション)
美術賞:ショーナ・ヒース 、ジェームズ・プライス哀れなるものたち)
衣装デザイン賞:ホリー・ワディントン(哀れなるものたち)
音響賞:デューン 砂の惑星PART 2
視覚効果賞:デューン 砂の惑星PART 2
流行語大賞:ピエール瀧「もうええでしょう!」(地面師たち)

2024年はなんといっても河合優実の年だった。新たな才能の出現に震えた。

テレビドラマにおいては向田邦子賞受賞の二人、野木亜紀子(獣になれない私たち)と吉田恵里香(恋せぬふたり)が『海に眠るダイヤモンド』と『虎に翼』で大いに気を吐いた。最高傑作と言っても過言ではない。そして2025年、本家本元・向田邦子の『阿修羅のごとく』が是枝裕和監督の手でNetflexオリジナル・ドラマとして蘇る……感無量。

『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度アカデミー作品賞・監督賞を受賞した巨匠クリント・イーストウッドの新作『陪審員2番』が劇場公開されず、12月20日に配信スルー(北米はMax、日本はU-NEXTで見放題)となったことに全世界の映画ファンは衝撃を受けた。紛れもなく堂々たる傑作だが、地味だし、低予算なので、仮に劇場公開したところで採算が取れる可能性はほとんどない。時代を象徴する事件だった。

『チャレンジャーズ』はキレッキレの編集とトレント・レズナー&アッティカスによる斬新な「テクノ」ミュージックが圧倒的に素晴らしい。僕は昔からテニスってとても「映画的」なスポーツだと思っていた。対戦する選手の表情の切返し(カットバック)、飛び散る汗、ラケットに弾き返されるボールの軌跡、左右に振られる観客の首の動き。そこにはリズムが生まれる。加えて本作は「ボール目線」という信じがたいショットもインサートされ、興奮はクライマックスへ。途轍もない体験だった。これが映画だ!

『異人たち』は山田太一の小説『異人たちとの夏』をイギリスを舞台に置き換えて翻案したものだが、大林宣彦監督版を上回る出来だったと思う。

『カラーパープル』はスピルバーグ監督版(1985)よりリメイク版に軍配を上げる。85年版の上映時間が2時間34分なのに対し、2023年版は2時間21分。通常ミュージカル化したら長くなるはずなのに、なんという手際の良さ。お見事。

ピクサーの『インサイド・ヘッド2』は期待外れ。物語として詰まらない。

『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』前章・後章については、原作と異なるラストに僕は納得いかなかったのだが、後日発表されたアニメシリーズ版(全18話)の方が断然いい!オープニングでano×幾田りらが歌う新曲「SHINSEKAIより」もいい!!作詞・作曲は『デデデデ』の原作者・浅野いにお。大した才能だ。

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2024年6月15日 (土)

映画「オッペンハイマー」と、湯川秀樹が詠んだ短歌

109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザー/GTで『オッペンハイマー』を鑑賞。公式サイトはこちら

評価:A+

Oppenheimer

「原爆の父」を描く、ジャンルとしては伝記映画に属する。

本作のややこしさは時間軸をいじくっているとことにある(クリストファー・ノーラン監督の作品ではいつものことだが)。大きく分けて2つの柱がある。

 ①〈核分裂(fission)/カラー〉1954年米ソ冷戦と赤狩りの時代、オッペンハイマーがソ連のスパイ容疑をかけられたことに対する聴聞会(非公開/狭い部屋)と彼の回想。主観。
 ②〈核融合(fusion)/白黒〉1959年アイゼンハワー大統領時代、ルイス・ストローズが商務大臣に任命される前にその資格を問う公聴会(公開/広い部屋)とストローズの回想。客観。

ストローズがオッペンハイマーと初めて会うのは1947年なので、白黒パートは全て原爆投下(第二次世界大戦終結)後の出来事である。つまり白黒パートの方が基本的にカラー・パートより後の時代なのでそこがさらに混乱のもとになる。

なお原爆は核分裂(fission)を原理とする爆弾であり、水爆は核融合(fusion)反応を主体とする(核分裂反応も併用している)。だからカラー・パートは原爆が生み出されるまでの話で、白黒パートでは水爆をどう扱うかが議論される。

現代の物理学は、〈相対性理論〉と〈量子論〉という2大理論を土台にしている。時空の理論である〈一般相対性理論〉は、主にマクロ(巨視的)な世界を扱い、〈量子論〉は原子や素粒子(原子をさらに分解した最小単位)など、ミクロな世界を支配する法則についての理論である。ミクロな時空では、一般相対性理論が役立たない

アインシュタインは空間と時間が時空間の持つ二つの様相であり、エネルギーと質量もまた同じ実体がもつ2つの面にすぎないと考えた。だからエネルギーが質量に変わったり、質量がエネルギーに変わったりする過程が、必ず存在する筈だ。そこからE=mc2という有名な公式が導き出された(:エネルギー、m:質量、c:光速度)。そして質量をエネルギーに変換することで、核兵器や原子力発電の開発に繋がった。

時空間は曲がる」。これが、〈一般相対性理論〉を支えている発想である。地球が太陽の周りを回るのは、太陽の周りの時空間が太陽の質量により屈曲しているからである。地球は傾いた空間を真っ直ぐに進んでいるのであって、その姿は漏斗(ろうと)の内側で回転する小さな玉によく似ている。

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一方、〈量子論〉を基礎づける三つの考え方は粒性・不確定性・相関性(関係性)である。エネルギーは有限な寸法をもつ「小箱」から成り立っている。量子とはエネルギーの入った「小箱」のことであり、それが持つエネルギーはE=hvで表せる(:エネルギー、:プランク定数、:振動数)。

自然の奥底には「粒性」という性質があり、物質と光の「粒性」が、量子力学の核心を成す。その粒子は急に消えたり現れたりする(不確定性)。言い換えるなら世界を構成するあらゆる物質が粒子であるとともに、波の性質を備えていると考える(ここでの波とは確率の波である)。つまり量子は一見矛盾した2つの特徴(粒/波)を同時に持っている。

粒状の量子が間断なく引き起こす事象(相互作用)は散発的であり、それぞれたがいに独立している。量子たちは、いつ、どこに現れるのか?未来は誰にも予見できない。そこには根源的な不確定性がある。事物の運動は絶えず偶然に左右され、あらゆる変数はつねに「振動」している。極小のスケールにあっては、すべてがつねに震えており、世界には「ゆらぎ」が偏在する。静止した石も原子は絶え間なく振動している。世界とは絶え間ない「ゆらぎ」である よって自然の根底には、確率の法則が潜んでいる。ひとたび相互作用を終えるなり、粒子は「確率の雲」のなかへ溶け込んでゆく。

 ・ 【増補改訂版】時間は存在しない/現実は目に映る姿とは異なる〜現代物理学を読む 2019.11.18

『オッペンハイマー』で話題になるアインシュタインの発言「神はサイコロを振らない」は、観測される現象が偶然や確率に支配されることもある、とする量子力学の曖昧さを批判したもので、「そこには必ず物理の法則があり、決定されるべき数式がある筈だ」という立場から、彼は〝神″をその比喩として用いた。

僕が認識した範囲で本作にノーベル物理学賞受賞者は9名登場する。アルベルト・アインシュタイン/ニールス・ボーア/イシドール・イザーク・ラビ/アーネスト・ローレンス/ルイス・ウォルター・アルヴァレス/エンリコ・フェルミ/リチャード・P・ファインマン/ハンス・ベーテ/ヴェルナー・ハイゼンベルク ら。うちハイゼンベルクのみナチス・ドイツ側で、アインシュタインを除き残る7名はマンハッタン計画に関わった。

マンハッタン計画に参加した学者のうち、オッペンハイマー兄弟/イシドール・イザーク・ラビ/レオ・シラード/エドワード・テラー/リチャード・P・ファインマン/ハンス・ベーテ がユダヤ人。またエンリコ・フェルミはローマ生まれのイタリア人だが、妻がユダヤ人であったため迫害を恐れアメリカに亡命した(ムッソリーニ政権下のイタリアでユダヤ人がどういう目にあったかについては映画『ライフ・イズ・ビューティフル』に詳しい)。

マンハッタン計画が世界最高の叡智を結集したものであり、日本・ドイツ・イタリアの三国が束になっても敵いっこないし、ユダヤ人であるということを理由にアインシュタインら天才たちを放逐したドイツがいかに愚の骨頂であったか、よく分かるだろう。

物理学者で中間子の存在を理論的に予言し、1949年に日本人として初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹はたくさんの短歌を残した。原爆投下について詠ったものがいくつかあるので、最後にご紹介しよう。

天地(あめつち)のわかれし時に成りしとふ
原子ふたたび砕けちる今

(とふ:読み「とう」、意味「という」)

この星に人絶えはてし後の世の
永夜清宵(えいやせいしょう)何の所為ぞや

(永夜:秋や冬に夜が長く感じられること)(何の所為ぞや:何のためにあるのだろうか)

まがつびよふたたびここにくるなかれ
平和をいのる人のみぞここは

(禍津日神:まがつひのかみー黄泉の穢れから生まれた神で、災厄を司るとされている) これは広島の平和記念公園で詠まれた。

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2024年6月10日 (月)

石原さとみの熱い叫びを聴け! 映画「ミッシング」(+上坂あゆ美の短歌)

評価:A

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映画公式サイトはこちら。

石原さとみは熱い女(ひと)だ。7年前に「変わりたい、自分を壊してほしい、私を変えてくれる人は誰か」と沢山映画を観て吉田恵輔監督に白羽の矢を立て、出演を直談判した。しかし「すみません、苦手です。僕の作品にあなたは華やか過ぎる」と断られた。しかし彼女は諦めなかった。

僕が本作で感じたのは、監督の直感が正しかったということだ。

ボディソープで洗ってわざと髪を痛め、半分茶髪、根っこの方は黒髪が生えているボサボサの状態で撮影に臨んでも、彼女の美しさ、内面から溢れてくる輝きは覆い隠すことが出来なかった。映画を観ている途中に「(物語の舞台となる)沼津のようなド田舎に石原さとみはいね〜よ!」と思った。

僕には土地勘がある。大学生の時に沼津駅で下車し、沼津港から千鳥観光汽船に乗り西伊豆の戸田まで旅をしたことがあるのだ。福永武彦が書いた大好きな小説『草の花』の旅を追体験したかったからである(今回調べてみると、この航路は2014年に定期便が廃止されたらしい)。

歌人・上坂あゆ美(1991年静岡県沼津市生まれ)が故郷について詠んだ短歌をいくつか思い出した。

・ 撫でながら母の寝息をたしかめる ひかりは沼津に止まってくれない
・ 沼津市で熱量があるものすべてダサいと定義していた青春
・ 富士山が見えるのが北という教師 見える範囲に閉じ込められて
・ あぜ道を走るラベンダー色の自転車 あの子はきっと東京に行く

閉塞感がひしひしと感じられる。上坂本人も高校卒業後に上京した。そして石原さとみは正に「ラベンダー色の自転車」に乗る少女だと思った。ハイカラで眩しくて灰色の沼津の風景には全く馴染まない。

それでも彼女の熱演は高く評価したい。やっと代表作と言える作品に出会えて本当に良かったね。

映画の出来も素晴らしかった。吉田恵輔監督作品の系譜の中では『空白』に近い味わいだが、より深化している。僕は本作の方が好きだ。

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2024年4月 2日 (火)

デューン 砂の惑星PART2

評価:A+

IMAXで鑑賞。

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パート2まで観て判ったのは1965年に出版された原作小説が後のSF作品に多大な影響を与えた、ということだ。女性だけの教団ベネ・ゲセリットが企てる「人類改良血統計画」は『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する秘密結社ゼーレによる「人類補完計画」を彷彿とさせるし、巨大なサンドワーム(砂虫)や惑星アラキスの生態系は明らかに『風の谷のナウシカ』の王蟲や腐海に繋がっている。主人公ポールの母が砂漠の民フレメンの教母になり、説く内容は『ナウシカ』の大ババが語る「その者、青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われし大地との絆を結び、ついに人々を青き清浄の地へ導かん」に一致する。また『スター・ウォーズ』の舞台となる砂漠の惑星タトゥイーンも然り。

一方、砂漠の美しさや戦闘シーンの迫力はデヴィッド・リーン監督『アラビアのロレンス』(1962)以来のスケール感ではないかと驚嘆した。よくよく考えると本作と『アラビアのロレンス』の物語構造は似ている。よそ者であるイギリスの陸軍将校ロレンスが、オスマン帝国からのアラブ独立闘争を率いて英雄になっていく姿が、『砂の惑星』のポールがフレメンを率いて戦う姿に重なる。また『アラビアのロレンス』でアンソニー・クイン演じるアウダ・アブ・タイが本作ではフレメンの部族長スティルガーに該当するし、だったらオマー・シャリフ演じるシャリーフ・アリは?と考えた時、ゼンデイヤ演じるチャニではないか?と奇抜な発想が湧いた。ロレンスは砂漠の英雄になるが、そこには常に迷いがあり虚無感が漂うし、それはポールも同様。

こうした創作物のバトンがすごく面白いな、と思った。

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