「シシ神の森」屋久島旅行記
8月3日(土)から7日(水)まで4泊5日で鹿児島県・屋久島に旅をした。
初めて屋久島を訪れたのは1997年夏。映画「もののけ姫」が公開された年である。宮崎駿監督とスタッフがロケハン時に泊まった民宿「水明荘」に僕も宿をとった。監督の色紙が飾られていた。往復8時間かけて縄文杉まで歩いたのだが、その時の旅の記録はここに書き記した。「スタジオジブリ」HPにも掲載された。あと帰りの屋久島空港の待合で、たまたま僕の隣に立川談志が座っていたのも懐かしい思い出だ。その時僕は談志の落語を聴いたことがなかったので話しかけたりしなかったが、付き人に対して何かブツブツ小言を並べていた。
- 立川談志 繁昌亭初登場!/三枝・米團治 二人会 2010.11.22
今回宿泊したのはJRホテル屋久島。とろみのある天然温泉が極上だった。和歌山県の龍神温泉、愛媛県今治市にある鈍川温泉など、「美人の湯」と呼ばれる温泉は数あれど、僕が入った中では屋久島の泉質が最高だった。
上の写真はホテルの展望風呂付き客室からの眺め。絶景のオーシャン・ビューである。食事も美味しかった!
それにしても可笑しいのは、屋久島には鉄道が走っていないんだよね。何故JRホテルがここに??
到着初日は空港近くでレンタカーを借りてヤクスギランドと、その近くにある紀元杉へ。
屋久杉は何本もの太い縄を寄せ集め、束ねたような印象で、どこか注連縄(しめなわ)を想起させる。
「屋久島はひと月に35日雨が降る」と表現したのは林芙美子の小説「浮雲」である。成瀬巳喜男監督の映画版も日本映画史に燦然と輝く傑作だ。空港では晴れていたのに山中のヤクスギランドに着く頃は土砂降り。また海岸線に車で降りてくると道路はカラッと乾いていた。
旅の2日目は丸一日、ガイドを雇い沢登りを愉しんだ。屋久島の川の水はとてもきれいで、鮎も泳いでいる。ヘルメット、プロテクター、ライフジャケットを身に着けて、小学校2年生の息子は何度も高い岩の上から川に飛び込んでいた。その光景を見ながら映画「明日に向って撃て!」とか「ヤング・ゼネレーション」「IT/イット “それ”が見えたら、終わり。」の一場面を想い出した。
お昼はガイドの人が森の中でパエリアを料理してくれた。有頭海老やムール貝の入った本格的なもの。今まで食べたパエリアの中で一番の味だった。でも同時に飲んだインスタントの味噌汁も美味しかったので、シチュエーションの効果も大きいのだろう。
3日目、白谷雲水峡を歩く。
今にも森の妖精〈こだま〉が出てきそうな「苔むす森」。
ちなみに〈こだま〉は漢字で〈木霊〉と書き、樹木に宿る精霊のことである。「もののけ姫」が大好きな人はここと、縄文杉を併せて訪れたい。
二股の「くぐり杉」である。
大川(おおこ)の滝は「日本の滝 百選」にも選ばれている。
実にダイナミック。すぐ近くまで行けて、水飛沫を全身に浴びた。
最終日は千尋(せんぴろ)の滝を訪れた。
左側にある巨大な花崗岩 の岩盤が壮観である。
そしてトローキの滝へ。海に直接水が落ちる海岸瀑である。
屋久島は山・川・海と大自然を満喫出来る。あと昨年の沖縄・宮古島でも感じたのだが、関西より断然涼しい。ガイドの人も「屋久島は避暑地です」と断言していた。日本の夏は南の島に限る!
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