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2024年2月 6日 (火)

古川雄大・柚希礼音・真風涼帆(出演)ミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』

梅田芸術劇場でミュージカル・ピカレスク『LUPIN ~カリオストロ伯爵夫人の秘密~』を観劇した。

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1月3日(水・マチネ)の役替り

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1月7日(日・ソワレ)の役替り

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脚本・演出は『エリザベート』『グレート・ギャツビー』『ポーの一族』で知られる小池修一郎、作曲は『1789 -バスティーユの恋人たち-』で小池と組んだドーヴ・アチア。モーリス・ルブランの小説「怪盗ルパン」シリーズを下敷きに、アルセーヌ・ルパン(古川雄大)とカリオストロ伯爵夫人(Wキャスト:柚希礼音/真風涼帆) 、令嬢クラリス(真彩希帆)、シャーロック・ホームズ(小西遼生)をはじめとした様々な登場人物たちが財宝を巡って様々な駆け引きを繰り広げる。さらに悪党(Villain)ボーマニャン役を立石俊樹が演じる。

年4月に宝塚大劇場で上演された小池修一郎(作・演出)『カジノ・ロワイヤル』のレビューで、「これはジェームズ・ボンドではなく内容的にアルセーヌ・ルパンものであり、宮崎駿の『ルパン三世 カリオストロの城』を彷彿とさせる作品だ」と書いた(ルブランの小説『カリオストロ伯爵夫人』についても言及)。

 ・ 真風涼帆/潤 花(主演)宝塚宙組「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」は駄作!(原作小説/映画版との比較あり) 2023.04.06

今回の新作の制作発表が行われたのはこの後であり、「やっぱり小池はアルセーヌ・ルパンや『カリ城』がやりたかったんだ!」と僕の直感が正しかったことが判明した。正直『カジノ・ロワイヤル』は救いようのない駄作だったが、本作はむっちゃ面白かった。2回観ても全く飽きない。

小池作品には『グレート・ギャツビー』『NEVER SAY GOODBYE』など〈文学系〉、『ヴァレンチノ』『カサブランカ』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』など〈映画系〉、さらに『蒼いくちづけ』『ポーの一族』など〈耽美系〉と色々あるが、本作が一番近いのは98年宝塚宙組公演の『エクスカリバー 〜美しき騎士たち〜 』だろう。ズバリ〈脳天気/アホ系〉。エンターテイメント要素が満載、理屈抜きでディズニーランドのアトラクション的楽しさが味わえる。

テンプル騎士団の残した財宝の在り処を示す、生命の樹=メノラー(燭台)の失われた7本の枝を探すというプロットのバカバカしさ!!最高に可笑しい。アーサー王と円卓の騎士が聖杯を探す旅に出る物語を想起させ、その意味でエクスカリバーに繋がっているし、最後に聖杯を守る騎士が登場する『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』にも近い雰囲気と言えるだろう。つまり正真正銘冒険活劇だ。

カリオストロ伯爵夫人は〈男装の麗人〉という設定で登場するので、元・宝塚歌劇団の男役トップスターだった柚希と真風はピッタリ。甲乙つけ難かった。タンゴを踊る場面もあり格好いい!

また一幕最後はルパンがピカピカ光る蝶ネクタイ型ゴンドラに乗り空中浮遊する場面もあってサービス精神旺盛。『ポーの一族』の演出を想い出した。

再演があれば是非また観たい。

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