坂本昌行(主演)ミュージカル「ザ・ミュージック・マン」
5月13日(土)梅田芸術劇場へ。ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』を観劇。
出演は坂本昌行(V6の元リーダー)、花乃まりあ、森 公美子、六角精児 ほか。坂本は『THE BOY FROM OZ』のピーター・アレン役などが評価され、今年の菊田一夫演劇賞を受賞している。
『ザ・ミュージック・マン』は1957年にブロードウェイで初演された。作詞・作曲はメレディス・ウィルソン。同年の『ウエストサイド物語』を押し退けてトニー賞最優秀ミュージカル作品賞、ミュージカル演出賞、ミュージカル主演男優賞(ロバート・プレストン)など5部門を制覇。一方、『ウエストサイド物語』は装置デザイン賞と振付賞の2部門にとどまった。
2022年にはヒュー・ジャックマン(ハロルド・ヒル教授)、サットン・フォスター(マリアン)でブロードウェイ・リバイバル上演が実現している。今回の演出は『ゴッドスペル』ブロードウェイ・リバイバルも手がけたダニエル・ゴールドスタイン、振付はエミリー・モルトビー。
僕は初演のロバート・プレストンが出演した1962年の映画版を観ている。監督は舞台版を演出したモートン・ダコスタ。マリアン役は映画『オクラホマ!』『回転木馬』のシャーリー・ジョーンズ。またウィンスロップという少年役でロン・ハワード(後に『ビューティフル・マインド』でアカデミー監督賞を受賞)が出演している。日本未公開。
そして2001年8月末にブロードウェイでリバイバル上演を観た。ハロルド・ヒル教授役はクレイグ・ビアーコ。マリアンの本役はレベッカ・ルーカーだが、水曜日のマチネだったので代役(アンダースタディ)だったと記憶している。振付・演出はスーザン・ストローマンで、同時期に彼女が振付・演出した『プロデューサーズ』も公演中。後者はミュージカル作品賞・演出賞・振付賞などトニー賞を12部門受賞し、当時話題をさらった。
僕はネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ゲイリー・ビーチらオリジナル・キャスト総出演で『プロデューサーズ』を観て抱腹絶倒、大満足だったのだが、正直『ザ・ミュージック・マン』の方は詰まらなかった。演出や振付に冴えを感じなかった。実は『ザ・ミュージック・マン』のチケットは公演当日、タイムズ・スクエアのど真ん中にあり割引で買えるブース・TKTS(チケッツ)で手に入れたのだが、その際にオフ・ブロードウィの『ファンタスティックス』とどちらにするか最後まで迷っていた。『ファンタスティックス』は1960年の初演以降、40年以上に渡り世界最長のロングランを続けているミュージカルだし、次回観ればいいかと高をくくってしまった。しかしその年の9月11日にニューヨークを同時多発テロが襲いブロードウェイに足を運ぶ観光客は激減、『ファンタスティックス』の公演はあえなく翌年の2002年1月13日に閉幕してしまった。後悔先に立たず。僕は選択を誤った。
・ これぞミュージカルの原点!「ファンタスティックス」あれこれ(亜門版も)
さて今回のバージョン。すこぶる愉しい作品に仕上がっていた。古臭さも感じなかったし、高揚感に包まれた。坂本昌行は歌唱力に定評があり、「ジャニーズで最も歌がうまい」との呼び声が高いそうなのだが、評判に違わぬパフォーマンスで、人柄(雰囲気)も好感度大だった。ロバート・プレストンと比べても遜色ない。朝海ひかるはいい人と結婚した、と思った。 再演があればまた是非観たい。
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