2.5次元ミュージカル??「 SPY × FAMILY 」は宝塚宙組「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」より断然面白い!
2.5次元ミュージカルとは何か?一般社団法人「日本2.5次元ミュージカル協会」HPに記された定義は以下の通り。
日本の2次元の漫画・アニメ・ゲームを原作とする3次元の舞台コンテンツの総称。早くからこのジャンルに注目し、育ててくれたファンの間で使われている言葉です。
アニメやゲームの2次元の世界と、現実の3次元の世界の中間の意味で「2.5次元」と呼ばれている。代表作として『テニスの王子様』『刀剣乱舞』が挙げられるが、広義として考えれば宝塚歌劇の『ベルサイユのばら』『はいからさんが通る』『天は赤い河のほとり』『ポーの一族』だって漫画が原作の2.5次元ミュージカルだ。つまり狭義で「2.5次元舞台」とは、宝塚歌劇・劇団四季・東宝といったメジャー企業の公演を除き、さらに名の知れた俳優や演出家などによる集客ではなく、原作の知名度に依る興行を指すと言えるだろう。
だから『 SPY × FAMILY 』は広義で言えばれっきとした2.5次元ミュージカルだが、大企業・東宝株式会社が製作しているので狭義では該当せず、「日本2.5次元ミュージカル協会」HPにも掲載されていないという、ややこしい事態になっている。
兵庫県立芸術文化センターで観劇した4月12日(水)ソワレのキャストは以下の通り。
13日(木)マチネのキャストは、
主人公ロイド・フォージャーとヨル・フォージャーはダブルキャスト。子役のアーニャはクワトロ(4人)キャスト。
森崎ウィンはスティーヴン・スピルバーグ監督『レディ・プレイヤー1』に出演し、「俺はガンダムで行く!!」という名言を残し世界中の映画ファンを痺れさせた。また名古屋テレビ放送(メ〜テレ)制作、深田晃司監督のテレビ・ドラマ『本気のしるし』に主演、これを再編集した『本気のしるし〈劇場版〉』が後に全国公開され、キネマ旬報ベストテンで日本映画第5位に選出されるなど高い評価を受けた。現在Netflixからドラマ版が配信中。彼は背が高く立ち姿が凛として美しい。舞台映えがする。やはり映画やテレビ・ドラマで主役を張る俳優にはオーラがある。歌も上手く高音がよく伸びる。素晴らしい!
鈴木拡樹(ひろき)は舞台『弱虫ペダル』や『刀剣乱舞』に出演。正に2.5次元俳優と言えるだろう。僕は今回初めて観たが、ホストクラブにいそうな顔立ち。歌はソコソコ。
唯月ふうかはミュージカル『ピーター・パン』でデビュー。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌや『屋根の上のヴァイオリン弾き』の三女チャヴァ、『デスノート The Musical』のミサミサ、『四月は君の嘘』などでお馴染み。僕が大好きな女優だ。今回も文句なし。
佐々木美玲は日向坂46の現役メンバー。「non-no」の専属モデルでもあるそう。今まで全く知らず、正直可愛いと思わないし、歌は音程が覚束ない。ダンスの動きのキレは良かった。
グッズ販売の行列が見たことがないくらい凄まじく、仰天した。これが2.5次元のノリなのか!?売り切れ続出、大量に買い込んでいる人もいた。
脚本・作詞・演出のG2はふざけたペンネームだが実はまっとうな、手堅い演出をする人。かみむら周平の手がけた音楽はジャズのビッグバンド風で格好良く、本格的ミュージカル作品に仕上がっていた。英国で学びオペラの世界でも活躍する松生紘子の美術も素晴らしい。彼女は『舞台少女ヨルハVer1.1a』で第1回伊藤熹朔記念賞を受賞。他にミュージカル『レベッカ』の舞台美術も担当。
はっきり言って同じスパイ物でも宝塚歌劇『カジノ・ロワイヤル〜我が名はボンド〜』より『 SPY × FAMILY 』の方が断然完成度が高く、見応えがあった。
・真風涼帆/潤 花(主演)宝塚宙組「カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~」は駄作!(原作小説/映画版との比較あり)
少し残念だったのは、本作はアーニャがイーデン校に合格するまでしか描かれないのでクラスメートも登場しないし、まだ序盤も序盤。物語が「起承転結」で言えば「起承」くらいまでしか進んでいない。つまり主人公ロイドの任務=オペレーション〈梟〉(ストリスク)の途中で終わってしまうので、中途半端な感は否めない。しかし、まぁ観客の99%は漫画を読んでいるかアニメを観ている筈なので、多分問題ないのだろう。『テニスの王子様』『刀剣乱舞』のように、シリーズ化を希望する。
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