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2023年3月15日 (水)

A24とNetflixの躍進が目立ったアカデミー賞授賞式 2023を振り返る

アカデミー賞授賞式 2023が終わった。

さて、今年僕の予想が的中したのは作品・監督・主演女優・助演男優・脚色・視覚効果・撮影・長編ドキュメンタリー・短編ドキュメンタリー・編集・国際長編・歌曲・長編アニメ・短編アニメの14部門だった。昨年の的中が18部門だったので低調と言わざるを得ないのが現状である。

星海社新書から刊行されている【なぜオスカーはおもしろいのか? 受賞予想で100倍楽しむ「アカデミー賞」】の著者、 Ms.メラニーは今年14部門的中なので同点だった。

昨年、配信系のNetflixは徹底的に嫌われて27のノミネーションに対して受賞したのは『パワー・オブ・ザ・ドッグ』のジェーン・カンピオンが監督賞のたった1つだったのだが、今年は『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』で長編アニメーション、『エレファント・ウィスパラー』で短編ドキュメンタリー、『西部戦線異状なし』で国際長編映画・作曲・美術・撮影賞を受賞し、計6部門と大躍進した。独立系のA24が『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』で7部門、そして『ザ・ホエール』で主演男優・メイクアップの2部門受賞しているので、合わせると15部門。計23部門のうち65%を、たった2つのスタジオで制したことになる。他の主なスタジオは、

 ・ディズニー:2(『ブラック・パンサー:ワカンダ・フォーエバー』で衣装デザイン賞、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』で視覚効果賞)
 ・パラマウント:1 (『トップガン マーヴェリック』で音響賞)
 ・HBO Max/ワーナー・ブラザーズ:1(『ナワリヌイ』で長編ドキュメンタリー賞)
 ・Apple TV+
:1(『ぼく モグラ キツネ 馬』で短編アニメ賞)
 ・ソニー・ピクチャーズ:0

メジャー・スタジオが元気がなく、見る影もない。最早アカデミー賞と、独立系に与えられるインディペンデント・スピリット賞の違いが、なくなりつつある(『エブエブ』はインディペンデント・スピリッツ賞でも7冠に輝いた)。

Netflixは今までに監督・国際長編映画・長編アニメーションと主要な賞を手中に収めてきたので、いよいよ残るは悲願の作品賞のみとなった。近い内に実現することを期待したい。

韓国映画『パラサイト 半地下の家族』に続き、今年は中国系の大躍進で同じアジア人として誇らしい限りだが、テルグ語で歌曲賞を受賞した「ナートゥ・ナートゥ」(RRR)といい、短編ドキュメンタリー賞の『エレファント・ウィスパラー』といい、インド勢も大いに気を吐いた。アカデミー賞が最早、英語を喋る白人だけの祭典ではなくなり、真の多様性を獲得した左証である。

そして今までファンタジー(『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』)とモンスター映画(『シェイプ・オブ・ウォーター』)の受賞はあったけれど、本格的SF、さらにカンフー映画の作品賞受賞は『エブエブ』が史上初であり(『スター・ウォーズ』も『E.T.』も成し得なかった)、このことも大いに喜びたい。助演女優賞を受賞したジェイミー・リー・カーティス(母は『サイコ』のジャネット・リー)がスピーチの中で、これまで出演してきたあらゆる【ジャンル映画】に感謝の言葉を述べていたのは、それを踏まえてのことだ。

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