バブル期のあだ花、「東京ラブストーリー」まさかのミュージカル化 !?
12月24日(土)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティへ。ミュージカル『東京ラブストーリー』を観劇。
ダブル・キャストで、僕が観たのは空キャスト。配役は……
永尾完治:柿澤勇人、赤名リカ:笹本玲奈、三上健一:廣瀬友祐、関口さとみ:夢咲ねね
他に長崎尚子:綺咲愛里、和賀夏樹:高島礼子ら。
作曲したジェイソン・ハウランドはブロードウェイ・ミュージカル『Little Women -若草物語-』を手がけ、日本ではホリプロ制作のミュージカル『生きる』を書いている。
柴門ふみの漫画『東京ラブストーリー』は1988年から連載され91年に鈴木保奈美・織田裕二主演、坂元裕二の脚本でテレビドラマ化された。最終回の平均視聴率が32.3%になるなど大ヒット。いわゆるドレンディドラマの代表作となった(トレンディドラマの人気投票をすると必ず本作が1位になる。たとえばこちら)。「月9(げっく)」という言葉もこの作品から生まれた。
今回のミュージカル化では2018年春(つまりコロナ禍になる直前)に時代設定を移し、愛媛県今治市に本社のあるタオル会社の東京支社営業部を舞台に展開される。因みに原作で永尾完治は愛媛から上京し、東京の広告代理店に務めるという設定。
トレンディドラマはどうしても“バブルの徒花”というイメージが付き纏う。バブル景気の定義は1986年12月から91年2月の期間だ。丁度漫画の連載からドラマの放送開始までスッポリ収まる。主人公の収入では到底住めそうにないお洒落なマンションでの豪奢な暮らし……。
ところが今回のミュージカル版ではそうしたトレンディドラマの浮かれた、軽薄なイメージを払拭するような作品に生まれ変わっていた。また『生きる』もそうだったが、音楽が実にいい。胸にズシンとくるものがある。さすがブロードウェイの作曲家だ。
NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』における源実朝役の好演も記憶に新しい柿澤勇人が文句ないことは言うに及ばず、特に鼻っぱしが強いリカを演じた笹本玲奈が秀逸。有名な台詞「カンチ、セックスしよ!」が見事にハマった。清楚な夢咲ねねも◎。
再演があれば、是非また観たい。
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