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2020年 アカデミー賞・答え合わせ〜徹底的に嫌われたNetflix!

第94回アカデミー賞受賞受賞結果が出揃った。僕の予想が的中した部門は作品・監督・主演女優・主演男優・助演女優・助演男優・脚本・脚色・国際長編映画・美術・作曲・歌曲・衣装デザイン・メイクアップ&ヘアスタイリング・音響・視覚効果・長編ドキュメンタリー・短編実写の計18部門。特に主要部門を全部当てたことは誇りに思う。あと鉄板の◎を付けた14部門はパーフェクトだった。

星海社新書から刊行されている【なぜオスカーはおもしろいのか? 受賞予想で100倍楽しむ「アカデミー賞」】の著者、 Ms.メラニーの今年の的中が15部門なので完勝。ちなみに2021年は僕が18部門でMs.メラニーが17部門だった。

今回は兎に角、アカデミー会員がNetflixを毛嫌いし、アナフィラキシー反応を起こしていることがよくわかった。

まずスタジオ別ノミネーション数を見てほしい。

Netflix: 27
Warner Bros.: 16
Disney: 9
20th Century: 9
MGM/UA: 8
Searchlight Pictures: 7
Focus Features: 7
Apple TV+: 6
Neon: 6
Amazon:4
Bitters End: 4
Sony Pictures:2

Netflixがワーナー・ブラザーズを引き離し圧勝である。ところが、受賞結果は……

Warner Bros.: 7
Disney/20th Century: 6
Apple TV+: 3
Searchlight Pictures: 3
Focus Features: 1
MGM/UA: 1
Netflix: 1

なんとNetflixは27のうちジェーン・カンピオン(パワー・オブ・ザ・ドッグ)の監督賞たつた1つしか獲れなかったのである!!一方でワーナーは『DUNE/デューン 砂の惑星』が技術部門で大量受賞したおかげで、高打率だった。また作品賞を受賞した『コーダ あいのうた』はたった3部門しかノミネートされていないのに、全部門制覇してしまった。

大ヒットの娯楽大作を連発し、大儲けしていた時代のスティーブン・スピルバーグがやっかまれ、彼がどうしてもオスカーを欲しくて撮った『カラーパープル』(1985)がアカデミー賞で10部門もノミネートされたのに、結局無冠で終わったときの風当たりの強さ、バッシングを思い出した。『E.T.』が公開された3年後の話である。スピルバーグの受賞は『シンドラーのリスト』(1993)まで待たなければならない。

アカデミー会員はNetflixを拒絶するのに、Apple TV+からストリーミング配信されている『コーダ あいのうた』は何故O.K.なのか?ここに微妙な心情が伺われる。本作はサンダンス映画祭においてワールド・プレミアが行われ大評判となり、Appleが映画祭史上最高額となる2500万ドルで配給権を獲得、2021年8月13日に劇場公開と配信が同時に開始された。つまり元々はインディペンデント系作品だったので、「映画」として認められたというわけ。しかし結局、動画配信サービスに作品賞を与えたという既成事実を作ったことに変わりはなく、Netflix映画がアカデミー賞を総なめにする時代が到来するのは時間の問題である。

アカデミー賞では2010年から作品賞部門にかぎり、投票者が候補作のすべてに対して順位を付ける投票方法を採用している。これに対し、英国アカデミーは投票者が候補作の中から1作品だけを選んで入れる一般的な方法を取る。だから今年英国アカデミー賞は『パワー・オブ・ザ・ドッグ』が作品賞を受賞したが、米国は結果が異なった。米国のやり方だと、エッジが効いて極端に評価が分かれる賛否両論の作品は選ばれず(1位と最下位に票がばらつくから)、誰からも嫌われず2位や3位に票が集中する「無難な」「当たり障りのない」作品が高得点を得る仕組みになっているのだ。賭けてもいいが『コーダ あいのうた』を1位にした人は少ない筈だ。『スポットライト 世紀のスクープ』や『グリーンブック』もそうした経緯で作品賞に選ばれた。

さて、ハンス・ジマーの作曲賞受賞は『ライオンキング』以来2度目。『ライオンキング』のメイン・ディッシュはあくまでティム・ライスが作詞し、エルトン・ジョンが作曲した歌の数々である。だから不当に低い評価に甘んじていた彼が本領発揮した楽曲で漸く再評価されたわけで、めでたしめでたし。

以前、主演女優賞や助演女優賞は演技が大したことなくても、自分で歌えば受賞できる可能性が高くなると書いた。実際今年の受賞者、『タミー・フェイの瞳』のジェシカ・チャステインも、『ウエスト・サイド・ストーリー』のアリアナ・デボーズも歌っている。一方この法則は男優には当てはまらず、ミュージカル映画『チック、チック…ブーン』のアンドリュー・ガーフィールドは沢山歌ったのだが、受賞は叶わなかった。面白いものである。

またウィル・スミスがプレゼンターのクリス・ロックのスピーチに激怒し、平手打ちを食らわせる場面があったが、舞台裏でウィルはディンゼル・ワシントンから「人生最高の瞬間こそ、気を付けろ。悪魔の誘惑に負けるな」と助言されたそうで、さすがアニキ、言うことが違うなと思った。

記事〈映画「ドリームプラン」でウィル・スミスはアカデミー賞受賞という悲願を達成出来るのか?〉で僕は彼が嫌いだと表明したが、偏見でなかったことが今回の事件ではっきりした。はっきり言う、ウィル・スミスは品がない。そして知性が欠けている。とっとと消えてくれ、ウザい。

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