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2021年5月24日 (月)

映画「ファーザー」

評価:A+

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認知症の老人が主人公という物語は、有吉佐和子のベストセラー小説を豊田四郎監督が映画化した「恍惚の人」(1973)などがある。しかし本作が極めてユニークなのは、老人の主観で描く点だ。「その手があったか!」と目を見張った。

観客はまるで迷宮を彷徨うような体験をすることになる。突如時間は未来にジャンプし、過去に飛び、更にループする。また同じ名前を持つ別人が目の前に現れて混乱する。あたかも、いくつもある平行世界をポンポン横断している感覚で、SFホラーを観ているような恐怖を覚えた。アカデミー脚色賞を受賞したのも宜なるかな。

原作は舞台劇だそうで、戯曲ではどうやって描かれているのだろう、是非観たいと思った。

アンソニー・ホプキンスのアカデミー主演男優賞の受賞は番狂わせで驚いたが、映画を観たら納得した。有無を言わせぬ圧巻の演技。他の有力候補だったチャドウィック・ボーズマン(マ・レイニーのブラックボトム)やリズ・アーメッド(サウンド・オブ・メタル)が霞んでしまった。

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コメント

それでアカデミー賞史上に残るドッチラケエンディングを
迎えた訳ですね!(笑)

投稿: onscreen | 2021年6月27日 (日) 08時28分

onscreenさん

僕は昔からスティーブン・ソダーバーグ監督が嫌いです。アカデミー賞を受賞した『トラフィック』もちっとも良いと思えません。引退宣言をしておきながら前言撤回するのもみっともない。

だから彼が演出した今年のアカデミー賞授賞式の体たらくは〈策士策に溺れる)で、「ザマアミロ!」と罵ってやりたいですね。おととい来やがれ。彼が映画を撮る機会が今後なくなりますように。

投稿: 雅哉 | 2021年6月27日 (日) 19時34分

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