映画「ミナリ」と、ハリウッド実写版「君の名は。」
評価:B+
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映画『ミナリ』のリー・アイザック・チョン監督は、新海誠監督のアニメーション映画『君の名は。』のハリウッド実写版監督に決まっている。当初は『アメイジング・スパイダーマン』『(500)日のサマー』のマーク・ウェブがメガフォンを取ると発表されていたのだが、降板した。チョン監督の『君の名は。』についてのコメントはこちら。ドゥニ・ヴィルヌーブ監督『メッセージ』でアカデミー脚色賞にノミネートされたエリック・ハイセラーが執筆したシナリオを現在リライト中とのこと。
『ミナリ』とは韓国語で香味野菜のセリ(芹)のこと。在米韓国人一家の生き様を描いており、会話の50%以上が韓国語ということでゴールデングローブ賞の作品賞(ドラマ部門/コメディ部門)候補対象外となり、外国語映画賞にノミネートされたことで物議を醸した。正真正銘のアメリカ映画なのに、英語以外は「外国語」なのか?という問いがそこにはあった(結局、外国語映画賞を受賞)。ゴールデングローブ賞は現在87名いる外国人映画記者協会メンバーのうち黒人が1人もいないことに対しても激しく非難を浴びた。よって来年までに少なくとも13人は黒人会員を入れると声明を発表している。 なおアカデミー賞で本作は作品・監督・主演男優・助演女優・オリジナル脚本・作曲の6部門にノミネートされた。
TV『大草原の小さな家』とか、日本の『北の国から』を彷彿とさせる雰囲気がある。スルメのように噛めば噛むほど味が出る作品だ。本作中に登場するセリ(minari)は幾多の困難を乗り越えてそこにしっかり根を張っていく家族を象徴している。
さて、ハリウッド版『君の名は。』はどんな作品になるだろう?多様性(diversity)が叫ばれる昨今だから主人公の男女の人種は当然変えてくるだろう。片方は多分アジア人。韓国系にするか、オリジナルを尊重して日系にするか?そして相手は黒人か、ヒスパニック、それともアメリカ先住民?多分白人はないだろう。いろいろと想像するだけで楽しくなる。
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