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2021年3月15日 (月)

すばらしき世界

評価:A

Suba

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監督は『ゆれる』『ディア・ドクター』『永い言い訳』の西川美和。彼女は文才もあり、小説『きのうの神様』『永い言い訳』で2回直木賞候補になっている。今までは全てオリジナル・シナリオだったが、今回初めて原作ものに挑んだ。佐木隆三のノンフィクション小説『身分帳』である。佐木は実在の連続殺人鬼をモデルとした『復讐するは我にあり』で直木賞を受賞、今村昌平監督で映画化された。『復讐する〜』は他に黒木和雄、深作欣二、藤田敏八が映画化を申し入れ、権利獲得を競い合った。また僕は彼が書いたルポルタージュ『証言記録 沖縄住民虐殺―日兵逆殺と米軍犯罪』について過去にブログ記事で触れている。

本作の魅力は何といっても主役の役所広司の凄さに尽きる。本当に刑務所から出てきたばかりのやくざ者にしか見えない。彼が平凡なサラリーマンを演じた『Shall we ダンス?』とは完全に別人。顔とか体型に変化がないのに、大したものだ。

また前科者の三上(役所)を取材対象としてテレビのドキュメンタリー番組を撮ろうとする青年役の仲野太賀が『あの頃。』に続いて好演。あと長澤まさみの〈異物感〉に目が釘付けになった。

見応えあり。

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