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【考察】映画「あの頃。」の登場人物たちはどうしてこんなに気色が悪いのか?

評価:F

Ano

原作はベーシストで神聖かまってちゃんのマネージャーだったこともある劔樹人(つるぎみきと)のエッセイ。大学生卒業後就職も出来ずに、もやもやしていた主人公(松坂桃李)が松浦亜弥のミュージック・ビデオを見て「ハロー!プロジェクト」のアイドルに夢中になり、イベントで知り合ったネット弁慶のコズミン(仲野太賀、原作ではコツリン)らと青春の日々を謳歌するという物語。公式サイトはこちら

小林よしのり、中森明夫、宇野常寛らの座談会を本にした『AKB48白熱論争』(幻冬舎新書)第1部は〈人はみな誰かを推すために生きている〉と銘打たれている。全く同感である。僕自身、〈誰か〉に限らず、〈何か〉を“推す”ためにこのブログを10年以上書き続けている。それは大好きな音楽だったり、映画だったり、舞台ミュージカルだったりする。自分が愛する〈誰か〉や〈何か〉を語ることは愉しい。嘗て大林宣彦監督の公式ファンクラブ、OBs club広島支部に入っていたこともあり、そこで仲間が出来た。

大のおとながアイドルを好きになる気持ちも分かると思っていた。僕は今までにAKB48、乃木坂46、欅坂46の握手会に各々一回ずつ行ったことがある。握手したのは柏木由紀、渡辺麻友、島崎遥香、川栄李奈、西野七瀬、齋藤飛鳥、平手友梨奈、長濱ねる、といった面々。また学会出張で博多に行ったときはHKT48の劇場公演(2回)、新潟に出張したときはNGT48の劇場公演を観た。ヲタクの生態も多少なりとは理解しているつもりだった。

だから『あの頃。』に登場する「恋愛研究会。」のメンバーにも共感出来るのではないかという期待を持って映画館に足を運んだ。ところが!僕が感じたのはホモ・ソーシャルな関係性の6人に対する嫌悪感だけだった。駄目だ、生理的に全く受け付けない。そんな自分に些かショックを受けた。な、なんなんだ、この感情は?同族嫌悪??いや、違う。僕は動揺した。そして数日間真剣に考えて、悩み、漸く結論に達した。

「恋愛研究会。」のメンバーがキモいのは、彼らに社会性が欠けているからだ。アルバイト程度の仕事をしている人はいるが、殆どが無職。家庭も持っていない。つまり現実社会において他者に真剣に向き合っていない。「恋愛研究会。」という名称にしたって恋愛は互いの気持ちが通じ合って成立するものだ。彼らがしていることは自分の一方的な“好き”をぐだぐだと語っているだけ。ストーカーと何ら変わらない。生産性がない。メンバーがモーニング娘。の『恋ING』を演奏し、熱唱する場面があるが、あまりにも音痴で聞くに堪えない。結局、自分たちが“愉しい”に終始しており、目の前にいる聴衆をもてなそう(entertain)という意志のかけらもない。つまりここでも社会性が欠如しており、マスターベーションを見世物にしているようなものだ。しかも『恋ING』を歌う場面はたっぷり2回も登場する。勘弁して〜。今泉力哉監督、「あんたバカぁ!?」(惣流・アスカ・ラングレー風に)。

“クズ”ミン、もとい、コズミンが女性を性欲処理の対象としてしか見做していないのも実に不愉快であった。 メンバーの彼女にちょっかいを出す場面でも、相手とコミュニケーションを取りたいという意思は全く無く、オッパイを揉むことしか頭にない。最低の男である。だから彼の興味関心が生身の(面倒くさい)人間から次第に離れて、アニメのフィギュアに終結していくのも、むべなるかなと思った。

結論。アイドルは明日を生きるための“希望”である。“好き”になって“推す”のは好い。しかしバランス感覚が大切。趣味仲間以外の社会との関係性(commitment)を喪失したら、人間終了である。

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