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2020年9月30日 (水)

「愛してる」劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン

評価:A+

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映画公式サイトはこちら

テレビ・アニメ版が全13話、そして第4話と第5話の間に位置するExtra Episodeが1話、さらに映画『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 ー永遠と自動手記人形ー』があり、全てNetflixが独占配信している。本作はそれらを受けての大団円である。

僕は当然ながら全ての作品を観て臨んだが、今回の劇場版が初体験となる人でも今までの経緯が理解出来るよう配慮されており、抜かりがない。

もう大満足。観たいと思っていたものを、しっかりと観せてくれた。パーフェクト、感無量である。

アニメ映画『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』に続き、吉田玲子の脚色が圧倒的に素晴らしい!ヴァイオレットが生きた時代の(恐らく)100年後から、物語を照射するという趣向が鮮烈である。

とはいえ、些か不満がないではない。例えばヴァイオレットが少女兵だった陸軍時代の上官で、大戦で大怪我を負って安否不明「未帰還兵扱い」となっているギルベルト・ブーゲンビリア少佐の生死の謎もミエミエだし(そもそも上のポスターが既にネタバレになっている!ここまで引っ張るほどのネタではないだろう)、クライマックスの海の場面では「エエッ、この島こんなに遠浅なん??これじゃ船を接岸出来ないでしょ!」とかツッコミを入れたくもなるが、それは野暮というもの。大目に見よう。あと『涼宮ハルヒの憂鬱』の時代から『響けユーフォニアム』にしても京アニ作品には必ず巨乳キャラが登場し、それば『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』も例外ではない(自動手記人形のカトレア)。しかし「そこまでヲタクに媚びなくても」という気もするのである。閑話休題。

僕はこの作品の世界観が好きだ。衣装デザインが美しいし、ヴァイオレットちゃんは健気だしね。吹奏楽ファンなので『響けユーフォニアム』も大のお気に入りだが、やはり『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』こそ京アニの最高傑作では?と思うのだ。

「大切なことは言葉にならない」は映画『海獣の子供』のキャッチコピーだが、『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』は「言葉にしなければ自分の想いをしっかりと相手に伝えられない」ということを教えてくれる。

痛ましく辛いあの事件を乗り越え、スタジオの総力を結集して金字塔を打ち立てた!京都アニメーション、「心から、愛してる」。

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