アカデミー賞で国際長編映画賞にノミネート!フランス代表「レ・ミゼラブル」(ユーゴー原作に非ず)
評価:A
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フランス映画「レ・ミゼラブル」は米アカデミー賞で国際長編映画賞にノミネートされ、カンヌ国際映画祭では審査員賞を受賞した。いずれもポン・ジュノ監督「パラサイト 半地下の家族」(韓国)の後塵を拝したわけだが、常に2番手の位置をキープしていた。「パラサイト」さえなければ受賞出来ただろう。
ややっこしいことに、ヴィクトル・ユーゴー原作ではない。ユーゴーの小説の舞台となった場所で繰り返し起こる現代の悲劇について描いている。だから題名に難がある。どうしてもミュージカル版を含め何度も映画化されたあの「レ・ミゼラブル」だと勘違いしてしまうよね(製作者はそれを狙っているのかも知れないが)。
喉がカラカラになり、皮膚がヒリヒリするような緊迫した映画だ。群集心理の怖さをこれほど巧みに描いた作品を他に知らない。もし僕が警官だったら、やはり恐怖のあまり我を忘れて彼らに発砲してしまったかも知れない。
群衆は火炎瓶を投げ、こん棒を奮って襲ってくるわけだから、まるで1960年代終盤の日本の学生運動(安田講堂事件など)みたいだなと思った。
息苦しさを感じながら、映画館を後にした。
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