新型コロナウィルスが僕たちに教えてくれること
「パニックになった時、人の本性は現れる」と僕は常々思っている。例えば災害時。大地震が起こると発展途上国では暴動に発展し、商店への略奪がしばしば起こる。貧富の格差、貧しい者の富める者に対するルサンチマン(嫉妬・怨嗟)が一気に吹き上がる。その点日本人は阪神淡路大震災の時も、東日本大震災の時も救援物資が配給されるのを割り込みもせず列を作って辛抱強く待ち、その姿が世界から称賛された。僕たちは非常時でも品格を失わなかった。
新型コロナウィルスの騒動で、世界は総鎖国状態になっている。ヨーロッパ諸国もこの緊急事態にナショナリズムを剥き出しにし、国境を閉ざした。EUと称するグローバリズム(緩やかな社会主義)の正体・欺瞞が白日の下に晒された。イタリアが医療崩壊しても近隣諸国は自国のことでいっぱいいっぱいで、知らんふりだ。結局、「世界は一家、人類はみな兄弟」じゃなかった。なんと中国から医師300人で構成される専門家チームがイタリアに派遣された。皮肉なことにイギリスのEU離脱は正しかったことが、こんな形で証明された。
アメリカやヨーロッパで、アジア人差別が横行している。彼らは「私は人種差別なんかしていない」という仮面(ペルソナ)を脱ぎ捨て、本来の顔を覗かせた。
日本では音楽家や演劇関係者の頭の中がお花畑であることがはっきりと分かった。
野田秀樹氏の、このまま劇場を閉ざしていたらそれは「演劇の死」を意味するという発言には心底驚かされた。いやいや野田さん、まだ1ヶ月そこらでしょう。1945年の東京大空襲で首都が焼け野原になっても、広島・長崎に原爆が投下されても演劇は死ななかったんですよ。そんなやわなものじゃないでしょう?泣き言言いなさんな、みっともない。貴方はもっと骨のある人だと思っていました。失望しました。
3・11東日本大震災のとき、当時政権与党だった民主党が如何に経験不足で頼りない党かということが露見し、全国民は呆れ返った。その後に行われた総選挙で惨敗、結局民主党という組織そのものが消滅した。3・11がなければ、民主党はもう暫く存続出来たのではないだろうか?亡国の危機を迎えることによってその化けの皮が剥がれたのである。
今回のコロナウィルスによる危機を迎えても、韓国は日本に対する攻撃を緩めない。恨(ハン)は決して変わらない。
また、朝日新聞の鮫島浩氏が次のようにツィートしている。
日本の感染検査数は国際的にみて桁違いに少なく感染者の公表数は実態とかけ離れていることは明白なのに、虚構の公表数を根拠に「日本は何とか持ちこたえている」という前提でコロナ対策を唱える専門家や官僚、それをそのまま報じる記者は、よほど能力が低いか良心が大きく欠けているかのどちらかだ。
— 鮫島浩 (@SamejimaH) March 13, 2020
日本政府による〈陰謀論〉だ。
日本が韓国やイタリアに比べて、検査件数が少ないことは事実だ。しかしそれは対外的に日本の安全性をアピールしたいという〈隠蔽工作〉なんかじゃない。軽症者が病院を占拠して重症者が入院できないといった、医療崩壊を防ぐことに狙いがある。鮫島氏はイタリアみたいに日本も医療崩壊すれば良いと考えているのだろうか?まぁこの人は憎き安倍政権を打倒出来さえすれば、国が滅んでも気にしないのだろう。安倍総理をこき下ろすことだけが目的化している。
どの程度の症状で検査するかによって感染者数は変化する。それを国別に比較することに意味はない。しかし死亡者数は誤魔化せない。重症で人工呼吸機に繋いでいる患者にウィルスのPCR検査をしないなんていうことはあり得ないからである(日本では死亡後に感染が判明した症例もある)。
〈陰謀論者〉たちは保健所が検査させないように策略をめぐらせていると主張するが、日本では2020年3月6日から新型コロナウィルス検査が保険適応となった。つまり保健所を介さず、医師の判断で検査出来るようになったのである。
3月19日現在、日本国内の死亡者は29人。韓国は91人。中国以外で多い順にイタリア2978人、イラン1135人、スペイン598人、フランス264人となっている。「日本は何とか持ちこたえている」というのは紛れもない事実だ。更に言えば日本の人口は約1億2600万人である。韓国が約5100万人でイタリアが6048万人。死亡率(人口10万対比死亡数)を計算すると、さらに格差は広がる。ここで〈陰謀論者〉たちは死亡者数を検査した人の数で割って「日本の死亡率は高い」と主張するのだが、これはインチキである。このやり方だと、症状の全くない人まで沢山検査した国のほうが見かけ上率が減ってしまう。ナンセンスだ。どうして彼らはここまでして、日本を貶めたいのだろう?実に情けない。
さらに朝日新聞の小滝ちひろ編集委員・ソーシャルメディア記者はツイッターに次のような投稿をした。
「(略)戦争でもないのに超大国の大統領が恐れ慄く。新コロナウイルスは、ある意味で痛快な存在かもしれない」
ここでも世界を覆う災厄よりも、憎っくきトランプ大統領が右往左往している姿を見る方が嬉しいという本性が剥き出しになっている。時の権力者へ自らの憎悪をぶつけることが目的化し、他のことが全く見えなくなっているのだ。なんと愚かなことだろう。
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