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2020年1月29日 (水)

ジョジョ・ラビット

評価:A

Jojo

公式サイトはこちら。アカデミー賞では作品賞・助演女優賞(スカーレット・ヨハンソン)、脚本賞など6部門にノミネートされている。またトロント国際映画祭で最高賞にあたる観客賞を受賞。前年ここで観客賞を獲った「グリーン・ブック」はアカデミー作品賞にも輝いた。

アドルフ・ヒトラーとかナチス・ドイツをコメディとして描くことは大変リスキーであり、成功する確率が極めて低い。現実が余りにも過酷だからである。「笑い事じゃねーだろう、ふざけんな!」と世間から罵詈雑言を浴びるのが関の山だ。しかし本作はその極めて高いハードルを軽やかに飛び越えた。

主人公の少年のimaginary friend(空想の友人)であるヒトラーを演じたタイカ・ワイティティ監督の手腕はお見事としか言いようがない。

ナチス・ドイツをコケにして笑いを取り、上手くやり抜いた作品としてはメル・ブルックス監督・脚本の「プロデューサーズ」(1968)以来と言っても過言ではないだろう(スーザン・ストローマンが監督したミュージカル映画版「プロデューサーズ」は惨憺たる失敗作だった)。

母親役のスカヨハと、ナチスの軍人を演じたサム・ロックウェルが圧倒的に素晴らしい!お勧め。ただし、ハリウッド映画のお約束ごととはいえ、ドイツ人しか出てこない映画なのにダイアログが全て英語というのはいささか違和感があった。「シンドラーのリスト」や「やさしい本泥棒」なんかもそうなんだけどね。

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