フォード vs フェラーリ
評価:A
米アカデミー賞では作品賞、音響編集賞、録音賞、編集賞の4部門にノミネートされている。公式サイトはこちら。
男臭い映画である。劇中の会話にも登場するハリウッド・スター、スティーブ・マックィーンが主演した映画「栄光のル・マン」「ブリット」「大脱走」などを思い出した。あとジョン・フランケンハイマー監督の「グラン・プリ」ね。つまり1960−70年台の匂いがするということ。ちょっと今では見かけないタイプだ。
また、カー・デザイナーのキャロル・シェルビー(マット・デイモン)とレーサーのケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)の果てしない殴り合いは「静かなる男」(1952)におけるジョン・ウェインとヴィクター・マクラグレンのそれを彷彿とさせる(E.T.がビール片手にテレビで見ていた映画)。つまり、ジョン・フォード的世界でもある。マイルズの奥さんも男勝りで、西部劇に出てきそうな感じだしね。
脚本・監督を務めたジェームズ・マンゴールド監督の腕は確かである。切れのある編集も素晴らしいし、なにより迫力満点の音響演出に痺れる。レースの渦中に放り込まれたような興奮をたっぷり味わえる。
ただ気になったのは、「この映画を女性が観て、果たして面白いと感じるだろうか??」ということ。考えてみればスティーブ・マックィーンのカー・アクションやジョン・フォードの西部劇に心底惚れ込んでいるのは、男ばかりだしね。このプンプン漂ってくる男の体臭が「好き♡」というマニアもいるだろうが、生理的に受け付けない人も多いのでは?
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コメント
あっという間に映画少年に戻った自分が、いた(笑)
んですが、ご指摘の通り、女性にとっては...かもですね...
投稿: onscreen | 2020年1月25日 (土) 13時01分
映画を観た感想の性差って、間違いなくありますよね。僕は「スター・ウォーズ」旧三部作が好きって女性に遭遇したことが一度もありません。
少年漫画と少女漫画がはっきり別れているのは、理に適ったことだと思います。大人になってもレディースコミックがありますし。
投稿: 雅哉 | 2020年1月26日 (日) 01時45分