「ターミネーター:ニュー・フェイト」のにおける抹殺計画の杜撰さ
評価:B
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製作・ストーリーとしてジェームズ・キャメロンが復帰、「ターミネーター2」の正式な続編である。リンダ・ハミルトンも戻ってきた。
悪くない。ティム・ミラー監督のアクション演出も冴えている。ただ正直言って、「ターミネーター」はシリーズ化に向いていない素材だなとつくづく思った。物語はT2で完結しており、続きは要らない。
未来の英雄(人間)を倒すために、殺人ロボットが過去に送り込まれ、ヒーローが生まれる前の母親、あるいは幼少期の彼自身を襲撃しようとする。その計画を阻止すべくヒーロー側も守護者(人またはロボット)を派遣する。ーというプロットの繰り返し。T1→T2の時はアーノルド・シュワルツェネッガーが敵(attacker)→味方(defender)に反転することに新鮮味があった。しかし柳の下に三匹目のどじょうはいない。
あと今回気になったのは抹殺計画の杜撰さである。まずターゲットを確実に仕留めようと思えば、ターミネーターを単独に送り込むのではなく、10体一気にタイムスリップさせればよい。チーム・プレイだ。アメリカの特殊部隊SWATみたいに。それと映画「ゼロ・ダーク・サーティ」で描かれていたビン・ラディン暗殺のように、襲撃するのは深夜が基本である。相手の寝込みを襲う。夜ならアジトにいる可能性が高い。そして電源をシャットダウンすれば、暗闇で俊敏に動けず、退路を断つことが出来る。狙撃手は暗視装置があるから問題ない。
だから今回の敵がマヌケなのは昼にターゲットの家を訪ねていることに尽きる。外出している可能性が高いじゃん?すると次はどこに出かけているかを探り、追わねばならなくなる。全くもって労力の無駄である。未来のコンピューター・システムは経験値が低いのか、それとも単なる馬鹿なのか?
それとシュワちゃんはロボットなのに、年老いていることについての説明が一切なかった。何で??
小学校2年生の息子と鑑賞。観終わって「面白かった!」と興奮していた。
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