菊池洋子 ピアノ・リサイタル「モーツァルト 音のパレット」最終回
11月10日(日)兵庫県立芸術文化センターへ。菊池洋子のピアノで、オール・モーツァルト・プログラムを聴く。
- ピアノ・ソナタ 第7番
- ピアノ・ソナタ 第16番
- きらきら星変奏曲(「ああ、お母さん、あなたに申しましょう」による12の変奏曲)
- 幻想曲 ハ短調
- ピアノ・ソナタ 第14番 ハ短調
- グラスハーモニカのためのアダージョ K.356 (アンコール)
菊池はモーツァルト国際コンクールにおいて日本人として初めて優勝した。
イングリット・ヘブラー、クララ・ハスキル、リリー・クラウス、マリア・ジョアン・ピリス、そして内田光子。〈モーツァルト弾き〉と呼ばれるピアニストは圧倒的に女性が多い。1965年にマルタ・アルゲリッチがショパン・コンクールで優勝するまでは「女性は非力であり彼女たちの演奏でベートーヴェンやショパンを聴く価値は全くない。子供でも弾けるモーツァルトでもさせておけ」という偏見が社会にはびこっていたのは疑いようのない事実である。ウラディミール・ホロヴィッツは「東洋人と女にはピアノは弾けない」という”迷言”を残した。しかしピリスや内田光子は見事に「女はモーツァルトしか弾けない」という世評を打ち砕いたのではないだろうか?
幻想曲 ハ短調はソナタ 第14番と同じ調性であり、出版時にソナタの前奏曲として作曲された。よって今回も切れ目なく演奏された。
菊池の歯切れよく、コロコロ転がるモーツァルトを堪能した。
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