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2019年9月17日 (火)

「天気の子」劇場用パンフレット第2弾登場!〜新海誠監督が質問に答えてくださいました。

9月14日(土)より、新海誠監督「天気の子」劇場用パンフレット第2弾が発売された。

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「新海誠監督がみなさまからの質問にお答えします!」(36の質問)というコーナーがあり、1,000件を超える応募の中から、僕の質問が「君の名は。」に続いて採用された。

僕の質問は以下の通り。

船の甲板から転落寸前の帆高の手をキャッチして登場した須田は命の恩人であり、〈父親代わり〉の存在です。しかし物語の最後に帆高は須田に拳銃の銃口を向け、引き金を引きます。僕にはこれが象徴的な〈父親殺し〉に見えました。心理的〈父親殺し〉を経ることによって帆高は自我を確立し、陽菜にとっての「キャッチャー(大丈夫)」になれた。〈父親殺し〉は「天気の子」同様、空から魚が降ってくる村上春樹の小説「海辺のカフカ」のテーマでもあります。僕は「天気の子」と「キャッチャー・イン・ザ・ライ」「海辺のカフカ」が三位一体のように感じるのですが、見当外れでしょうか?

新海誠監督からの回答は劇場用パンフレットを購入してお読み頂きたいが、かいつまんで言うと、『天気の子』の脚本を書き終えたあたりで「海辺のカフカ」を再読し、共通点の多さに少し驚いた。無意識のうちに影響を受けていたのかもしれない、ことのこと。

質問者の年齢が併記されているのだが、可笑しかったのは僕が最高齢だったこと。平均年齢が若い。

また「山本二三 気象神社絵画・天井画」のインタビュー記事も興味深く読んだ。「天空の城ラピュタ」「時をかける少女」の美術監督である。

Nizo

余談だが、採用されなかった質問も載せておこう。

オカルト雑誌のライター、須賀は船の甲板から転落しそうになった帆高のキャッチャー(捕まえ手)として登場します。帆高が熱心に読んでいるサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」において帆高が16歳の少年ホールデンだとすると、須賀は誰に相当するだろう?と考えて、ホールデンの恩師アントリーニ先生じゃないか、と思いました。アントリーニ夫婦はニューヨークのすごくしゃれた高層アパートメントに住んでおり、「入り口から二歩階段を下りたところにある居間に入ると、バーなんかもついている」と書いてあります(村上春樹訳、白水社)。一方、帆高が住み込みで働くことになる須田の事務所は半地下にあります。この暖かくて、子宮的なイメージの一致は新海監督が意図的にされた設定なのでしょうか?

 

映画「フィールド・オブ・ドリームス」にはサリンジャーをモデルにした黒人作家テレンス・マンが登場します(原作小説「シューレス・ジョー」ではサリンジャーその人となっています)。帆高はサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」を熱心に読んでおり、映画の終盤に陽菜が天に昇る夢を帆高と陽菜の弟・凪、須賀、そして須賀の娘・萌花が共有します。一方、「フィールド・オブ・ドリームス」でも複数の登場人物たちが同じ夢を見ます。これは単なる偶然なのでしょうか、それとも監督が意図されたことなのでしょうか?



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