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2019年8月 9日 (金)

「あいちトリエンナーレ」の騒動と〈表現の自由〉について。

愛知芸術文化センターで開催されている「あいちトリエンナーレ」の企画展『表現の不自由展・その後』が物議を醸し、3日間で中止に追い込まれた。特に問題になった展示物は以下の通り。

  • 韓国の、いわゆる「従軍慰安婦像」
  • 「焼かれるべき絵 / 焼いたもの」と題された昭和天皇の写真
  • 時代ときの肖像―絶滅危惧種 idiot JAPONICA 円墳―」

― idiot JAPONICA ―とは「間抜けな日本人」という意味であり、墓の上には特攻隊の青年たちが寄せ書きした日の丸の旗が置かれている。

特攻隊員を美化/英雄視するつもりは毛頭ない。しかし、気の毒な戦争の犠牲者であることは確かだ。そんな彼らを「間抜けな」と侮辱する行為は決して許せないし、その展示を認めた輩を僕は人として軽蔑する。

「あいちトリエンナーレ 2019」の芸術監督を務める津田大介(早稲田大学教授)の父親は日本社会党(現:社民党)の副委員長・高沢寅男の議員秘書を務め、大介は中学生時代に「赤旗」を読んだことが「物書き」になるきっかけとなったとしんぶん赤旗で述べている(出典はこちら)。バリバリの左翼である。どうしてこの人が芸術監督に選ばれた?Twitterで弁明した企画アドバイザーを務める東浩紀(批評家、哲学者)も実に情けない。

昭和天皇の写真を焼く「作品」も対象が天皇だから「不敬」だと言うつもりはない。例えばアドルフ・ヒトラーの写真であろうが、焼いて踏みにじる行為は「不快」だし、それを芸術作品だと僕は決して認めない。単なる「ヘイト」である。ナチス・ドイツの犯罪を憎むのなら、まずはヒトラーの著書「わが闘争」を読み、彼のスピーチを詳細に検討する必要があるだろう。敵を知らなければ彼の主張する理屈を論破出来ないし、当時の民衆がどうしてカリスマに熱狂し、間違った方向に進んだのかを分析出来る筈がない。写真や肖像画を焼く行為は何も問題を解決しない。それこそ間抜けな人間のすることだ。

そもそも中国や韓国のことを悪く言うと、朝日新聞、東京新聞など左翼ジャーナリズム日本ペンクラブは直ちに「ヘイト・スピーチ」と断罪し、「ヘイト・スピーチを許すな!」と声高に騒ぎ立てる癖に、特攻隊や天皇制、トランプ大統領への「ヘイト」に対しては、ころっと言うことが変わり「表現の自由を守れ!」と擁護するのはどういう了見か?完全に矛盾しており、ご都合主義にも程がある。天皇制がそんなに憎いのならば堂々と紙面でそう主張し、憲法を改正すればいいだろう。しかし摩訶不思議なことに朝日新聞、東京新聞日本ペンクラブは強硬に日本国憲法改正に反対している。矛盾だ。

また、いわゆる「慰安婦像」はそもそも芸術と言えるのか、それともプロパガンダ(政治的主張)に過ぎないのか?まずそこから議論を始める必要がある。つまり芸術文化センターに飾る価値基準を満たしているのだろうか?果たして韓国以外で100年後にも美術館で鑑賞する人はいるか?時の洗礼を受けて生き残れる筈もなかろう。

ドラクロアの絵画「民衆を導く女神」が素晴らしいのはその政治的主張ではなく、1830年に起きたフランス7月革命を主題としていることを鑑賞者が知らなくても胸を打つ作品だからである。

Democracy

そもそもいわゆる「従軍慰安婦」が、強制的に日本軍に連行されたという証拠すら一切見つかっていない。この件に関して朝日新聞社は根拠のない自社記事の過ちを認め、謝罪したではないか。それなのにどうして〈表現の自由〉を振りかざし「あいちトリエンナーレ」を擁護する?謝罪は口先だけってこと?事実とは異なる政治的主張(反日感情)を日本の公的施設で表明させる必要はない。

「あいちトリエンナーレ」は愛知県が7億8,600万円、名古屋市が2億1,000万円を負担し、文化庁から受ける予定の交付金は約8,000万円。つまり税金が10億円も投入されていることを忘れてはならない。

表現の自由〉はある。しかし節度と礼節をわきまえた上でというのは最低限の条件だろう。品位のあるレストランで騒げば追い出されるのは当たり前。そういう場において、〈表現の自由〉は伝家の宝刀になり得ない。つまり時と場合による。

それでも朝日新聞社日本ペンクラブがあくまで〈表現の自由〉を求めるのなら、自分たちで出資し、持ち前の施設で展覧会を開催すれば誰も文句は言わないだろう。名古屋市長や日本政府から干渉される心配もない。ご自由にどうぞ。

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