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2019年8月30日 (金)

トゥーランドット@びわ湖ホール

7月28日(日)びわ湖ホールでプッチーニのオペラ「トゥーランドット」を鑑賞した。

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その前に「熟豚」でランチ。絶品だった!!とんかつ部門で間違いなく生涯ベスト。

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東京文化会館・新国立劇場・札幌文化芸術劇場との提携公演である。演出はバルセロナ生まれのアレックス・オリエ。

大野和士/バルセロナ交響楽団で、びわ湖ホール声楽アンサンブル+新国立劇場合唱団+藤原歌劇団合唱部の演奏。

主な配役はトゥーランドット:ジェニファー・ウィルソン、カラフ:デヴィッド・ポメロイ、リュー:砂川涼子 ほか。

なんと前日27日に周辺地域が停電し、公演が約1時間中断したそう。舞台機構も故障し、一部演出を修正して上演された。

やはり大野はオペラ指揮者だなと甚く感心した。オーケストラが実に雄弁だった。ただ、実力としては東京のオケのほうが上かな。管楽器とか、大阪フィルとどっこいどっこいだと感じた。

本作はプッチーニの遺作であり、第3幕途中で未完のうちに作曲家は死去した。プッチーニのスケッチを基にフランコ・アルファーノが補筆完成した。

中国の皇女トゥーランドットは求婚者に三つの謎掛けをする。それが解けぬと首を刎ねる。しかしタタールの王子カラフはすべて正解し、彼女と結ばれて幕となる。

今回の演出では結末を変更し、トゥーランドットがナイフで首を切り自害する。確かに冷酷で誇り高いお姫様が愛に目覚めて転向するのは不自然だし、こういう新解釈も「蝶々夫人」みたいで、ありかなと思う。しかし全般的に暗く地味で、あまり好きにはなれない。特に三人の大臣〈ピン・ポン・パン〉が顔を泥だらけにして、乞食みたいな格好で登場したのには「それはないだろう」と引いた。「貧乏くさい。レ・ミゼラブルか!」

このオペラにはもっと〈華(はな)〉が欲しい。

「ド派手でけばけばしい」と批判もあるが、僕はフランコ・ゼッフィレッリが演出した絢爛豪華なメト版や、チャン・イーモウ(映画「紅いコーリャン」「初恋のきた道」「HERO」を監督、北京オリンピック開会式チーフディレクター)が演出し、紫禁城で上演されたフィレンツェ歌劇場のプロダクション(ズービン・メータ指揮)の方が断然好きだなぁ。余談だが浅利慶太がミラノ・スカラ座で演出した「トゥーランドット」(ジョルジュ・プレートル指揮)は酷かった。びわ湖ホール版といい勝負(どんぐりの背比べ)だ。

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コメント

僕もこの「トゥーランドット」見ました。しかも27日に。停電で舞台が中断したときは、それがわからず、変わった演出だな、と思いました。それに、最後。本当に衝撃的でした。幕が閉まって皆さん拍手しているのに、僕はあまりの衝撃になにも出来ませんでした。ただ、そういう解釈もあり、だとは思いますけど。

投稿: 最後のダンス | 2019年9月 5日 (木) 23時03分

最後のダンスさん、それは災難でしたね。それにしても全体的に陰鬱な舞台でした。僕はゼッフィレッリみたいな、ハッタリを利かせたド派手な演出の方が好みです。「トゥーランドット」とか、「ラ・ボエーム」なんか最高ですね。

投稿: 雅哉 | 2019年9月 6日 (金) 09時07分

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