バッハ・オルガン作品演奏会 アンコール Vol.1/アルフィート・ガスト
8月29日(木)いずみホールへ。昨年、半年がかりで大規模改修が行われたパイプオルガンをドイツ・ブレーメン生まれのアルフィート・ガストの演奏で聴いた。
- J.S.バッハ:クラヴィーア練習曲集 第3部 より抜粋
(休憩) - 西村朗:オルガンのための前奏曲「焔の幻影」
- シューマン:ペダル・ピアノのための6つの練習曲(カノン形式の作品)
- レーガー:B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ
- メンデルスゾーン:オルガン・ソナタ 第3番 第2楽章 アンコール
楽器のせいか、奏者の「音選び(レジスト)」の賜物かよく分からないが、明るく朗らかな音色が心地よい。森林浴をしている気分というか、前半のJ.S.バッハではステンドグラスから真っ直ぐ太陽光が教会内に降り注ぐ光景が幻視された。
この「天使のはしご(ヤコブのはしご/薄明光線)」のような印象は不思議と、プログラム後半の作曲家からは聴き取ることが出来ない。大バッハ固有の特質だろう。
西村朗の曲は「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」というかまど炊きごはんの火加減の文句を想い出した。調性のない音楽だけど聴き易く、面白かった!あと「オルガンってこんな音も出せるんだ」という驚きがあった。
シューマンの音楽はとてもロマンティック。教会音楽からかけ離れた存在。ペダル・ピアノってこんなの。
レーガーは複雑で荘厳。J.S.バッハより「しかめっ面」かな。因みに「B-A-C-Hの名による幻想曲とフーガ」ってリストも作曲していて、田村文生による吹奏楽編曲版が大人気なんだ。しばしば吹奏楽コンクール全国大会でも演奏される。
アンコールのメンデルスゾーンはシンプルで、バッハに回帰しようとする意志が強く感じられた。20歳のメンデルスゾーンが100年ぶりに「マタイ受難曲」を蘇演したことは余りにも有名である。
今回のシェフおすすめのフル・コースはデザートまで盛り沢山で、実に愉しかった。音楽を聴く歓びがそこにはあった。
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