ビューティフル・ボーイ
評価:B
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「君の名前で僕を呼んで 」でアカデミー主演男優賞にノミネートされたティモシー・シャラメくんはギリシャ彫刻を彷彿とさせる美青年である。僕は彼を見ているとイタリアの巨匠ルキノ・ヴィスコンティ監督が愛した男優たちを思い出す(「若者のすべて」「山猫」のアラン・ドロン、「ベニスに死す」のビョルン・アンドレセン、「ルートヴィヒ 神々の黄昏」「家族の肖像」のヘルムート・バーガー)。因みにヴィスコンティはバイセクシャルだった。
だから正にシャラメくんは「ビューティフル・ボーイ」そのものであり、父親役のスティーヴ・カレルも名演技である。
原作はジャーナリストであるデヴィッド・シェフが書いた実話であり、ヤク中になった息子ニックを父親が必死で更生させようと奮闘する物語である。
いや、リアルだし秀作だとは思う。ただ、納得いかなかったのは結局〈失敗談〉で終わっちゃうんだよね。最後テロップで「その後ニック・シェフは支援者たちの並々ならぬ努力のおかげで〜年間、薬物依存からの離脱に成功している」と出る。そこが知りたかったんだよ!!この映画ではどのようなサポートが有効だったのかということが全く判らない。肩透かしを食らった。
なお「ビューティフル・ボーイ」はジョン・レノンが息子ショーンに対して歌った楽曲のタイトルで、劇中でも流れる。親バカの脳天気な歌で微笑ましい。アナキスト(無政府主義者)剥き出しで下劣な「イマジン」なんかより、僕はこっちの方がよっぽど好き。
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