新海誠監督の最新作「天気の子」とミュージカル「RENT」
新海誠監督の新作アニメーション映画「天気の子」公式サイトでは予告編を見ることが出来る→こちらから"TRAILER"をクリック。
いや〜もう愉しみで仕方がない。待ちきれないから公開日の7月19日(金)は有給休暇を取得した。朝イチから観に行くぞ!
この予報から既にネット上ではロケハンの場所が特定され、聖地巡礼が始まっている。屋上に鳥居があるビルのモデルは代々木会館(実際の会館には屋外の階段と鳥居はない)で、鳥居そのものは朝日稲荷神社(別ビル)、そして主人公の少年が乗っている船は東京↔伊豆諸島を結ぶ「さるびあ丸」といった具合。「秒速5センチメートル」「言の葉の庭」「君の名は。」と同様にNTTドコモ代々木ビルがまたまた登場するのも嬉しい。最早、新海アニメのトレードマークだからね。あと「アメ」と名付けられた猫が可愛い。
音楽は「君の名は。」に引き続きRADWIMPSが担当。僕は予報で流れる主題歌「愛にできることはまだあるかい」を聴いた瞬間、びっくりした。出だしのコード進行(4つの和音)がピューリッツァー賞やトニー賞を総なめにしたブロードウェイ・ミュージカル「RENT(レント)」の名曲"Seasons of Love"(作詞・作曲:ジョナサン・ラーソン)と全く同じなのである。試聴はこちら。これは単なる偶然(無意識)なのか、監督からのリクエストなのか?興味は尽きない。
「天気の子」は世界中が注目している映画なので、後に音楽が"Seasons of Love"に類似していることが話題になるかも知れない。
気が早い話だが、僕は「天気の子」がきっと米アカデミー賞の長編アニメーション映画賞を受賞してくれるだろうと大いに期待している。細田守監督「未来のミライ」のノミネートに続け!!新海監督のデビュー作「ほしのこえ」(2002)から、彼の才能を信じて二人三脚で歩んできたコミックス・ウェーブ・フィルム代表 川口典孝氏も「(新海誠が)オスカーとる日も来ると思ってますから」と断言している(こちらの記事より引用)。
「君の名は。」英語版ではスマートフォンに入力された文字(日本語)を英語に置き換えることが出来なかったが、今度は万全の体制で臨んでいる筈。ディズニー/ピクサーに負けるな!ここは川村元気プロデューサーの腕の見せ所だ。
- 【考察】神話としての「君の名は。」〜その深層心理にダイブする。 2016.09.10
- 【考察】「君の名は。」もうひとつの解釈〜両性具有という見地から 2016.10.05
- 「君の名は。」劇場用パンフレット第2弾登場!〜新海監督が質問に答えてくださいました。 2016.12.13
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コメント
実は私もこの天気の子こそが、新海監督がアカデミー賞を獲る大きなチャンスと思ってますね。大きく興収を伸ばした次の作品と言う事で、もののけ姫→千尋と良く似ていますしね。前作の君の名は。の経験を生かし、まだ若い感性がある今の新海監督の歳もちょうど良いと思っています。ライバルはトイストーリー4でしょうが、世界的にも興収を大きく伸ばして、ぜひ来年獲って欲しいですね。
投稿: ghkm | 2019年4月18日 (木) 14時39分
アカデミー賞長編アニメーション賞の受賞作は近年、特に特徴があって、アカデミー賞作品賞とは違い、世界興収の高さも求められる事です。世界興収3.7億ドルの今年のスパイダーパース以外は、13年のアナ雪以降、全て世界興収が6億ドルを超えているものが受賞しています。ある意味、毎年、興収が高い本命映画とその他のノミネートされるだけの映画とはっきり分かれている賞とも言えます。本気でこの賞を獲るのなら、世界興収6億ドル程度は欲しい所です。その意味で、前作君の名は。で世界興収3.5億ドルを有している新海監督は、もう一伸びすれば賞獲得に届く挑戦権を有していると言える日本で唯一の映画監督です。万全の配給体制で臨んで、来年の米アカデミー賞長編アニメーション賞獲得を願っています。特に北米の配給を大規模に出来ないと稼げないのでしっかりして欲しいですね。
投稿: ghkm | 2019年4月18日 (木) 18時59分
ghkmさん、コメントありがとうございます!
「トイ・ストーリー4」は「天気の子」の敵じゃないと僕は思っています。昨年度アカデミー賞にノミネートされた「インクレディブル・ファミリー」や「シュガー・ラッシュ:オンライン」は敢え無く敗退しました。最早、続編では勝負にならないということです。そもそも「トイ・ストーリー」シリーズは既にオスカーを受賞していますしね。そういう意味で「アナと雪の女王 2」も眼中ではありません。
そもそもディズニー/ピクサーはその大躍進の立役者であるジョン・ラセターをくだらない理由(#MeTooの余波)で追い出しました。彼らに未来はない。残された道は凋落あるのみ。現在進行系の企画は続編ばかりですしね。だからこそ、次は日本のアニメーションにとって大チャンスでもあるのです。思い返すに「千と千尋」の対抗馬は「リロ&スティッチ」で、あの頃もディズニーは低迷期の真っ最中でした。
それから「君の名は。」北米配給の失敗はFunimationという弱小企業に委ねたことです。だからアカデミー賞に関してもノウハウがなく、まともなロビー活動が出来なかった。「天気の子」配給はもっとしっかりした大企業を選択して欲しいです。ちなみにFunimationは現在、米ソニー・ピクチャーズに買収されました。ソニー・ピクチャーズなら良いんじゃないでしょうか?「スパイダーマン:スパイダーバース」でも成功していますから。
投稿: 雅哉 | 2019年4月18日 (木) 20時58分
北米の配給に関しては、今の東宝はゴジラ・ポケモンの共同製作で、ワーナー・ユニバーサルとそれぞれ繋がりがありますし、君の名は。実写化ではパラマウントと組んでます。以前とは違い、その辺のパイプも生かせそうですよね。天気の子に関しては先日香港に8月8日公開(君の名は。は11月11日香港公開)が決まったとの事。海外配給を早くして、海外興収を早く挙げて、アカデミー賞に臨む事も視野に入れてるんでしょう。前作はそもそも海外まで手を回す事は当初考えてなかったので、アジアでは10月~翌年1月、北米では翌年4月、それぞれ公開と、その年のアカデミー賞を獲れる体制でもなかったですしね。細田監督の未来のミライがアニー賞受賞とアカデミー賞ノミネート出来たのは、アジアに8月、北米に11月公開と早めに公開出来たのも大きいと思っています。
投稿: ghkm | 2019年4月19日 (金) 14時31分
仰る通り、「君の名は。」は英語版製作開始が遅すぎました。アカデミー賞のルールに間に合わせるため12月に1週間だけLAの映画館1館で公開し、全米公開は授賞式後の4月では、会員も投票する気になりません。
だから推測するに「天気の子」は英語版も同時進行しているのではないでしょうか?RADWIMPSによる英語歌詞バージョンも最初から視野に入っている筈です。東宝は今度こそ本気でオスカーを獲りにかかってくるでしょう。そうじゃないと困ります。
投稿: 雅哉 | 2019年4月19日 (金) 21時12分
初めまして。「トイストーリー4」と同日公開の「ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲 EVOLUTION」ですけど、昔の作品のフルCG化版なので、正直言うとどこまで人気が伸びるのか疑問ですね。オリジナルを見た事の無い世代は見たとしても、かつて見た事の有る大人世代にはどう映るのかどうか、そこが気になります。むしろ、「天気の子」の方が大いに伸びる可能性が高いのではないでしょうか?ペット2やワンピースの新作なんか敵ではありませんよ。
個人的に気になるのは「スパイダーマン:スパイダーバース」がアカデミー受賞出来た反面、「みらいのミライ」が落選したのは、日本人が単一民族だから多民族国家のアメリカ人にはイマイチ理解出来なかったのかなぁ・・・と思う事です。日本人ならではの感性だから出来た「天気の子」が果たしてアメリカ人ばかりではなく、他の国に受け入れられかつアカデミー賞受賞出来るかどうか・・・そこがポイントではないでしょうか?
投稿: S.O | 2019年4月19日 (金) 22時33分
S.Oさんコメントありがとうございます。僕は貴方のご意見に全く賛同出来ません。
「未来のミライ」ノミネートは全く想定外で、日本での評判は散々でした。むしろ海外での評価の方が断然高いと言えるでしょう。
八百万の神々をテーマにした「千と千尋」がオスカーを獲りましたし、〈日本人ならではの感性〉で勝負すれば良いのです。そもそも日本人の誰も小津安二郎の「東京物語」が他国の人々に理解できるなんて考えていなかったわけですし、ポイントはそんなことろにありません。
投稿: 雅哉 | 2019年4月19日 (金) 22時54分
未来のミライは、日本の主に細田映画を期待して観る層が期待してるものとは違って、監督自身の個人的な狭い関心に走った感が大きかったね。脚本が他人だったおおかみの頃とは違い、バケモノの頃からすでにそれは現れてて、その失望がミライでも同じだったんで、大衆作家として日本では期待する人が少なくなった感がある。何しろミライは興収が半減以下だし、そもそも初動土日が前作比6割でしかなかった事にミライの公開前から失望して離れた層がいかに多かったか物語っていると思う。もっとも演出面は駆使されてて、海外では賞取れてたけどね。日本じゃ失望された映画監督のその後はつらいだろうね。特にオリジナルでやってる人は底が見えたと思われる。細田監督はどうにも大衆・若者との感覚がずれている事が分かってない感じだから、このまま賞向けの監督になりそうだね。
投稿: ghkm | 2019年4月20日 (土) 04時16分
当たり前ですが、有名監督と言うだけで見る人はやがて減っていきます。当然ながら、面白くないものは金を払って見る気が起きないのが人間の性と言うものですからね。ぶっちゃけ宮崎監督もハウルから右肩下がりに興収が落ちていったのは、面白く思っていた人が千尋から減っていった感じですよね。
投稿: ghkm | 2019年4月20日 (土) 04時24分