大フーガ〜関西弦楽四重奏団
3月18日(月)ザ・フェニックスホールで関西弦楽四重奏団のベートーヴェン・ツィクルスを聴く。
- 弦楽四重奏曲 第2番
- 弦楽四重奏曲 第13番「大フーガ」付き
「大フーガ」は元々、弦楽四重奏曲 第13番の終楽章として作曲された。しかし初演時に余りにも長大で難解であるとされ評価が二分、出版社からの要請や友人からの助言に従いこれを外し、ベートーヴェンは新たに軽快で小規模の第6楽章を作曲した。
今回は〈原典版〉として終楽章で「大フーガ」を演奏し、アンコールで最終版の第6楽章を弾いた。
僕は「大フーガ」をJ.S.バッハの「シャコンヌ」(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番)に匹敵する偉大なる傑作、人類の至宝、音楽遺産だと考えるが、しかし弦楽四重奏曲 第13番の終楽章としては他楽章と比べて余りにも重すぎてバランスを欠き、失敗作と断じざるを得ない。そして「大フーガ」を欠く第13番は、続く第14,15番よりはどうしても聴き劣りがする。如何せん凡庸なのだ。だからそこら辺の判断が難しいところである。
関西弦楽四重奏団の演奏は些か荒っぽく、一心不乱で「大フーガ」を弾き切った直後はトライアスロンを完走した選手のように目が虚ろで、疲労困憊していた。第一ヴァイオリンを担当した林 七奈は〈取り乱していた〉と表現しても良いくらいであった。如何にこの作品に取り組むことが大変かということを僕は肌で感じた。
アンコール前、他のメンバーを休ませている間にヴィオラの小峰航一が喋ったことによると、 彼は京都市交響楽団の楽員なのだが、昨年末に弾いたシェーンベルクの「ワルシャワの生き残り」、今年3月のワーグナー作曲/楽劇「ワルキューレ」全曲@びわ湖ホール、そして定演でのマーラー作曲/交響曲第7番「夜の歌」、それらスコアに書かれたことは全てベートーヴェンが「大フーガ」に盛り込んでいる、先取りしていると。成る程なと、唸った。
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