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【考察】映画「コードギアス 復活のルルーシュ」と「カリ城」の緊密な関係

評価:A

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僕はテレビ放送された「コードギアス 反逆のルルーシュ」全50話をNetflixで観た上で本作に臨んだ。

驚いたのは死んだ筈のシャーリーが生きていたことである。劇場でも「あの娘、死んだんじゃなかったっけ!?」という会話がちらほら聞こえた。

後で知ったのだが、テレビの総集編となる劇場版三部作でシャーリーは死なないことに設定が変更されたようである。つまりパラレルワールド平行世界)ね。ちなみに現在、劇場版三部作は全てAmazon プライムにて課金なしで視聴出来るようになった

というわけで「復活のルルーシュ」を観たいと思う方は、最低限の予備知識として「反逆のルルーシュ」TV版か劇場版をご覧になっておくことを強くお勧めする。ただし劇場版(1本)はテレビの約17話分(417分)を140分に短縮しているので、流石に無理がある(分量1/3)。省かれたエピソードも多く、出来ればTV版に挑戦してみてください。絶対面白いから。

さて「復活のルルーシュ」だが、大河内一楼の脚本は相変わらず冴え渡り、谷口悟朗監督の演出もキレッキレ。

本作でナイトメアフレーム(人型機動兵器)の戦闘シーンは3DCGと手書きの両方が混ざり合った構成になっている。実は谷口監督が演出に関わっていないOVA「コードギアス 亡国のアキト」のナイトメアフレームはフル3DCG仕様なのだが、ハッキリ言って戦闘シーンのワクワク感が皆無である。つまり絵が無機質で冷たく、色気がない。完全な失敗作であった。一方、創意工夫が凝らされた「復活のルルーシュ」のアクションは絶妙なバランスとなった。

本作の冒頭部、C.C.と廃人同様のルルーシュが旅を続けるのを遠景から捉えたショットに僕は既視感(デジャヴュ)を覚えた。いつか見た、何故か懐かしい景色。でも初見時には思い出せなかった。

2回目の鑑賞で漸くその〈正体〉に気がついた。物語の終盤、全ての問題が解決し、海上に集結した超合衆国の軍隊がジルクスタン王国に続々と上陸作戦を開始する場面である。僕は内心で叫んだ。「アッ、これって宮崎駿『ルパン三世 カリオストロの城』の最後、ようやくインターポール(国際警察)が動き出し、沢山の警官たちがパラシュートでカリオストロ公国に降下してくる場面の変換じゃないか!!」

そう考えれば全てのパズルのピースが埋まった。〈お城に幽閉されたお姫様(ナナリークラリス)を救うために、主人公たちが奪還計画を実行する〉という基本プロットも全く同じだ。

そしてジルクスタン国王シャリオに仕える大将軍ボルボナ・フォーグナーは「カリ城」でカリオストロ伯爵に執事として仕え、裏では特殊部隊「カゲ」の長官を兼任するジョドーを変換したキャラクターである(その末路も極めて類似している;「無益な殺生はせぬ」by 五右衛門)。

だから「復活のルルーシュ」冒頭の二人連れの旅も、「カリ城」でルパンと次元がカジノの大金庫からゴート札を盗んだモナコ公国からカリオストロ公国に向かう情景をスケッチしたオープニング・クレジットへのオマージュだったのだ。

「反逆のルルーシュ」における宮崎アニメに対する数々のオマージュについてはこちらに詳しく書いた。

概ね満足できる作品だった。特に最後、C.C.のあんな素敵な笑顔が見れて本当に良かった。ただシャーリーの運命を変えたことが新作で全く生かされていないし、「反逆のルルーシュ」で生き残った登場人物の誰一人として「復活のルルーシュ」で死なないというのは、いくら〈ファンサービス〉のための〈お祭り〉とはいえ、ご都合主義なのでは?と些かの不満を申し添えておく。〈非情さ〉こそが「コードギアス」最大の魅力ではなかったか。

最後にいくつか豆知識(トリビア)を。

本作には〈アラムの門〉が登場する。ヘブライ語と密接な関係があるアラム語で〈トリイ〉とは〈門〉という意味である。アラム語はかつてシリア地方、メソポタミアで遅くとも紀元前1000年ごろから紀元600年頃までには話されていたという。つまり〈アラムの門〉≒〈トリイ(鳥居)〉であり、〈神(=Cの世界/集合無意識)にアクセスするための門〉と言えるだろう。

途中ルルーシュは「またお前たちに助けられたな」と言う。最初誰のことなのか判らなかったが、多分、「お前たち」とはCの世界にいるユーフェミアやロロの魂のことなのだろう。

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