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TBSラジオ「アフター6ジャンクション」に投稿したメールが読まれました。お題はNetflix映画『ROMA/ローマ』

ヒップホップグループ、RHYMESTER 宇多丸がパーソナリティを務めるTBSラジオ「アフター6ジャンクション」 #アトロク #utamaru の〈週間映画時評 ムービーウォッチメン〉で映画『ROMA/ローマ』について書いた僕の投稿が読まれた。

いや〜聴いていて本当に嬉しかった。宇多丸さん、構成作家の古川耕さん、そして関係者の皆様、ありがとうございました!

以下、送ったメールの原文ママ。

遂にNetflix配信の映画がアカデミー外国語映画賞・撮影賞・監督賞の3部門を獲ってしまいました。作品賞という最後の牙城は崩せませんでしたが「映画は映画館で観る時代」の終わりの始まりを告げる出来事のように僕には思われます。それだけの力を持った、グーの音も出ない傑作でした。

僕が本作を観ながら強く感じたのは「これはキュアロン版『フェリーニのアマルコルド』だな」ということでした。〈アマルコルド〉とはフェリーニの故郷である北部イタリアのリミニ地方の言葉で〈私は覚えている〉という意味。監督の幼少期を描いていることが共通していますし、そもそもフェリーニにも『ローマ』という作品があります。『ROMA/ローマ』のヒロイン、家政婦クレオの人物像はフェリーニが監督しジュリエッタ・マシーナが演じた『道』のジェルソミーナや『カビリアの夜』のカビリアを彷彿とさせます。決して清純とは言えないけれど、身勝手な男を許してしまう、慈悲深く全てを包み込むような存在。更にそのイメージは「新約聖書」に登場するマグダラのマリアに繋がっています。そして映画中盤、年越しホームパーティの場面でターンテーブルに1970年にリリースされたロイド=ウェバーのロック・オペラ『ジーザス・クライスト・スーパースター』LPレコードが置かれ、そこから流れるのがマグダラのマリアの歌 "I Don't Know How To Love Him"(私はイエスがわからない)であるということが、キュアロンの意図を明白に指し示しています。

また家族でアメリカ映画『宇宙からの脱出』を映画館で観る場面は「うゎ!『ゼロ・グラビティ』の原点はこの体験にあったんだ」と気付かせる仕掛けになっていて、そういう意味では『ニュー・シネマ・パラダイス』的であったりもします。

これが一部割愛され、紹介された。実際に放送された番組公式書き起こしはこちら。音声でも聴ける。

氏の映画評はキュアロンが〈水の作家〉であるとか、映画冒頭で〈天と地〉が対比され、ラストで家政婦クレオが階段を登っていく(垂直方向への移動)とか、「なるほどな〜」という気付きが色々あった。

そして『ROMA/ローマ』は3月9日(土)より全国48館のイオンシネマで上映されることが決まった。

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僕が最初、宇多丸氏に注目した切っ掛けは、彼が〈オールタイム・ベスト・テン〉で大林宣彦監督『時をかける少女』を10位に選出したことだった(1位はメル・ギブソン監督「アポカリプト」)。

大林映画を愛する人に悪い人はいない」というのが僕の信念である。大林監督と宇多丸氏はラジオで2回対談しているし(「ザ・シネマハスラー」「ウィークエンドシャッフル」)、『時をかける少女』について彼の〈深町くん昏睡レイプ犯説〉は青天の霹靂だったが、一理あるなと感心もした。

KIRINJIの「The Great Journey feat. RHYMESTER」(試聴はこちら)という曲で、宇多丸氏がラップするパートには〈目指すは二人きりの実験室さ〉という歌詞があり、キエるマキュウというアーティストに宇多丸氏が提供した楽曲のタイトルはそのものズバリ〈土曜日の実験室〉。『時をかける少女』のファンなら当然、何のことか判るよね?

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