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2019年2月 6日 (水)

紅ゆずる主演 宝塚星組「霧深きエルベのほとり」ほか

2月27日(日)宝塚大劇場へ。宝塚星組「霧深きエルベのほとり」「ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~」を鑑賞した。

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「霧深きエルベのほとり」は菊田一夫が台本を書き、1963年に星組が初演した。菊田一夫と言えばラジオドラマ「君の名は」が有名で、その放送時間帯は「銭湯が空になる」という伝説を残した。またペテン師2人が繰り広げる珍騒動を描いた戯曲「花咲く港」は1943年に映画化され、木下惠介監督のデビュー作となった。

彼の名前を冠する菊田一夫演劇賞は大変権威のある賞で、東宝「エリザベート」におけるタイトルロールの演技に対して花總まりが演劇大賞を受賞したことは記憶に新しい。

流石に半世紀以上前の作品なので、古臭さを感じなかったと言えば嘘になる。しかし、そこそこ面白く悪くなかった。今まで散々、死ぬほど詰まらないたオリジナル作品を宝塚大劇場で観てきたので。例えば同じ港町を舞台にした作品で小池修一郎(作・演出)の「アデュー・マルセイユ」(春野寿美礼サヨナラ公演)があるが、あれなんかより本作の方がよっぽどマシ。

水夫カールを演じた紅ゆずるは滑舌が悪く、歌も余り上手くないので精彩を欠く。この人のベストは「ガイズ&ドールズ」のネイサン・デトロイト。あの公演は神がかったキャストだった。

ヒロイン・マルギット役の綺咲愛里は美人だし、文句なし。

圧巻だったのが男役二番手の礼真琴。歌が絶品で"That's Takarazuka !"と快哉を叫びたくなったし、彼女のダンスには色気がある。素晴らしいトップになるだろう。

上田久美子の演出は舞台奥行きの使い方が抜群に上手い。例えば前方で主演のふたりが芝居をしていると、奥で別の〈何か〉が進行しているといった具合。あと「ビール祭りの ビールの泡から 二人は浮かび出た♪」という歌の場面で、ふたりがせり上がってくる趣向が愉しい。オープニングに大階段を登場させたのも華やかで、大変結構。

中村暁演出によるショーは可もなく不可もなし。そもそも、星組だから星をテーマにするという発想が安直過ぎる。

小学校1年生の息子の初宝塚体験となったが、退屈だったみたいで、幕間に「もう帰りたい」と言い出して宥めすかすのに大変苦労した。因みに彼のお気に入りは劇団四季の「キャッツ」。インドネシアの影絵などを取り入れた「ライオンキング」はちょっと高尚過ぎたみたい。

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