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2019年1月25日 (金)

三谷幸喜(作)ミュージカル「日本の歴史」

1月11日(金)シアター・ドラマシティでミュージカル「日本の歴史」を観劇。

作・演出は三谷幸喜。公式サイトはこちら

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卑弥呼から始まって、第二次世界大戦まで1700年に渡る日本の歴史が上演時間2時間半の中で一気に描かれる。それに米テキサス州を舞台に繰り広げられる、ある一家の開拓史が交差する。

一言で評すなら本作は三谷幸喜の奇想が生んだ意欲作であり、かつ壮大な失敗作である。はっきり言って日本の歴史とアメリカ人の家族史が有機的に結びつかず、噛み合っていない。取って付けたような印象。

テキサス州の油田が噴出する場面はジェームズ・ディーンの遺作「ジャイアンツ」であり、ホテル建設やショービジネスの台頭はウォーレン・ベイティの「バグジー」、頼りない兄貴という設定は「ゴッドファーザー」と、ハリウッド映画の元ネタがミエミエというのもいただけない。

出演は中井貴一、香取慎吾、川平慈英、シルビア・グラブ、新納慎也、宮澤エマ、秋元才加(元AKB48)の7人。彼らがとっかえひっかえ何役も演じる。

中井貴一が歌えるのか心配だったが杞憂に終わった。問題なし。香取慎吾✕三谷幸喜といえばNHK大河ドラマ「新選組!」なので、もしかしたら香取演じる近藤勇がもう一度見れるかも?とちょっと期待したのだが、はぐらかされた。

テキサス州のパートは全く違和感がなかった。考えてみれば出演者にハーフが多いからだろう。川平慈英は母親がアメリカ人、秋元才加は母親がフィリピン人、シルビア・グラブは父親がドイツ系スイス人、宮澤エマは宮澤喜一・元総理の孫で父親がアメリカ人だ。

音楽は萩野清子。舞台上では彼女がピアノを弾き、総計4名によるアンサンブルだった。僕は荻野と三谷のコンビ作として舞台「コンフィダント・絆」「グッドナイトスリプタイト」「国民の映画」「ホロヴィッツとの対話」、そして映画「ザ・マジックアワー」「ステキな金縛り」を観ている。しかし彼女の音楽に感心したことは一度もない。だから今回も余り期待していなかったのだが、意外にも良かった。ただ、2曲目のリズムはミュージカル「キャバレー」のナンバー、《ウィルコメン》そのまんまで、如何なものか?と思ったが。

2000年に初演(真田広之 主演)、2003年に再演(白井晃 主演)された三谷のミュージカル「オケピ!」の方が僕は断然好きだ。岸田國士戯曲賞受賞!

ところで三谷さん、そろそろ和製ミュージカル映画を創って欲しいのですが。気は熟したのでは?今か今かと、首を長くして待ってまっせー!

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