へレディタリー/継承
評価:D
公式サイトはこちら。
家族の物語である。しかし愛とか絆ではなく、呪いとしての家族を描いている。詳しくは下記事に書いた。
脚本・監督を努めたアリ・アスターの実体験に基づいているとのことだが、確かに相当な恨みとか心的外傷(トラウマ)はしっかり伝わってくる。そして冒頭のドールハウスを用いたトリッキーな長回しや、昼間の家の外観が夜の外観に一瞬で切り替わるジャンプカットなど映像センスに長けていることは認める。
しかし僕は本作が嫌いだ。生理的に受け付けられない。観終わって、いやーな気持ちになる。
評価:D
この監督にとって家族が忌まわしいものであることは十分理解した。しかしその私怨を表現するためにご都合主義のシナリオをでっち上げる姿勢には感心しない。プロットが余りにも杜撰だ。
警告!以下ネタバレあり。
ー Are you ready? ー
映画の発端で夫婦の会話から、娘がナッツを食べるとアナフィラキシー・ショックを起こすことが言及される。彼らはそのことに十分気を配っている。
そこへ高校生の息子が友人宅のパーティへ行きたいと言い出す。息子が飲酒するのではないかと心配した母親はお目付け役として妹を連れて行けと命令する。まずこの母親の態度に思慮が欠けている。普通なら「絶対にナッツが入ったものは食べさせないでね」と釘を刺すだろう。
ふたりはパーティ会場に到着。妹が邪魔な兄は「お前はそこでケーキでも食べていろ」と指示し、妹は素直にそれに従う。ありえないだろう!かくして悲劇は起こる。
アホかと言いたい。
あと事故発生後、警察が現場検証をしないのもあまりにも不自然だ。
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