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P. ヤルヴィの「ザ・グレイト」とH. ハーンのモーツァルト@兵庫芸文

12月15日(土)兵庫県立芸術文化センターへ。

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パーヴォ・ヤルヴィ/ドイツ・カンマーフィルハーモニー管弦楽団、ヒラリー・ハーン(ヴァイオリン)で、

  • モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」序曲
  • モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲 第5番
  • J.S.バッハ:パルティータ第3番より”プレリュード”(ソリスト・アンコール)
  • J.S.バッハ:パルティータ第1番より”サラバンド”(ソリスト・アンコール)
  • シューベルト:交響曲第8番ハ長調「ザ・グレイト」
  • シベリウス:アンダンテ・フェスティーヴォ(アンコール)

パーヴォ率いるオーケストラは時に鹿の如く、しなやかに跳躍する。ソファで子供が無邪気に飛び跳ねているように弾力性に富み、柔軟な音楽を繰り広げた。

ヒラリーはエレガントで可憐なモーツァルトを奏でた。アンコールの大バッハは厳しい音楽だが、まぁるい音で優しさに包まれる。”サラバンド”は荒野に咲いた一輪の赤い花。

現在はギドン・クレーメルにしろ五嶋みどりにしろ、バッハの無伴奏ソナタやパルティータを弾く時はノン・ヴィブラート奏法(ピリオド・アプローチ)が主流である。しかしハーンはヴィブラートを捨てない。だからといって装飾過多に陥ることもなく、気品に満ちているのだからさすがである。

彼女は1979年生まれなので現在39歳だが、その美貌は一向に衰える気配がない。驚嘆すべき人だ。

プログラム後半のシューベルトは生命力が横溢する。ダンス・ダンス・ダンス!哀しみを帯びた第2楽章ですら踊り出したくなる。終楽章は草原を仲間たちと馬で駆ける疾走感があった。

シューベルトは「未完成」交響曲を作曲した時期に梅毒の宣告を受け、意気消沈していた。

しかしこのハ長調交響曲ではそのうつ状態から完全に立ち直り、あたかも「世界は美しい!」と全身で生を謳歌しているようだ。

パーヴォの解釈を「セカセカしている」と否定的に評したレビューを読んだが、僕は些かもそうは思わない。快速テンポこそハ長調交響曲に相応しく、寧ろ昔の巨匠たちのように重々しく演奏すべきではないと確信する。

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