柳家喬太郎「なにわ独演会」
9月22日(土)大阪府立男女共同参画・青少年センター(ドーンセンター)7階ホールへ。
- 柳家喬太郎:家見舞
- 柳家喬太郎:そば清
- 一龍斎貞寿(講談):八百蔵吉五郎
- 柳家喬太郎:結石移動症(喬太郎 作)
冒頭、前座の体(てい)で登場した喬太郎は「おあとをお楽しみに、しばらくお付き合いください」と笑わせて根多へ。開口一番がシモネタで、トリは現代のソープランドが登場する新作だったので心底驚いた!攻めてる〜ぅ。これ、観客に子供がいたら演れないね。
「家見舞」は引越祝いに水瓶を担いで訪れた二人組に対して家主の兄貴分が「今度フナを持ってきてくれ、フナは澱を食うらしい」と言うのに対して、「フナには及ばんよ。何しろその瓶にはついこないだまでコイ(肥)が泳いでいたのだからな」と答えるのがサゲなのだが、耳で聴いただけでは〈鯉→肥溜め〉という連想が出来なかった。この地口落ち(ダジャレ)は現代人に通用しないんじゃないだろうか?
ドーンセンターでの口演は初めてで、「参画(さんかく)センターと聞いていたので、江戸川乱歩『三角館の恐怖』みたいにホールが三角形なのかと想像していたら、違いました」と喬太郎。流石上手いこと言う。
「そば清」のマクラは青森県に招かれた時、ホッケの刺身が出たそう。「鮮度がよくないとなかなか食べられないんですよ」と言われ、「食べてみましたが……焼いたほうが美味しい」に場内爆笑。また秋田市のフードコート(@フォンテAKITA)に「おしゃれそば」なるものがあると紹介。チャーシューと支那竹が入っているという。さらに二つ目の頃、「乾電池くんと輪投げをしよう!」というイベントの司会で初めて大阪に営業に来たエピソードも飛び出して、「マクラが迷走してます」と自戒の念。
東京の講談師は現在、男性よりも女性の数が上回っているという。しかしトーンが高い女性の声による講談はどうも違和感がある。
「結石移動症」はかなり冒険的な根多だが、考えてみれば古典落語には「明烏」「三枚起請」「 紺屋高尾」「居残り佐平次」「品川心中」など遊郭を舞台にした廓噺が沢山あるわけだから、確かにこういうのもあっていいなと思った。
それにしても医学的に出鱈目な病名で、いかにも落語的。面白かった!
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