ウインド・リバー
評価:A
ドゥニ・ヴィルヌーヴがメガホンをとった映画「ボーダーライン」と、アカデミー作品賞にノミネートされた「最後の追跡」(日本では直接Netflixから配信)の脚本家テイラー・シェリダンが脚本・監督を務めた。
公式サイトはこちら。
ワイオミング州にある保留地で発生した殺人事件を追う新人女性FBI捜査官と、彼女に協力する現地の凄腕ハンター(野生生物局職人)を主人公としたクライム・サスペンス仕立ての映画である。しかし作品の狙いは謎解きにはなく、徐々にアメリカ先住民(Native American)に対してスポットライトが当てられていく。
ヨーロッパからアメリカ大陸に渡ってきたピューリタン(清教徒)を主とする植民者たちは先住民を虐殺し、肥沃な土地を奪い、全国土の3%にも満たない保留地へと彼らを強制移住させた。そのアメリカの暗部/恥部が本作を通して浮き彫りにされる。
ウインド・リバーは極寒の、想像を絶する不毛の土地である。そこへ押し込められた先住民たちの静かな、しかし絶望的な叫びを体感せよ。
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