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菊池洋子が弾くモーツァルト@兵庫芸文

6月30日(土)兵庫芸術文化センターへ。

Kiku

菊池洋子のピアノで、オール・モーツァルト・プログラム。

  • ピアノ・ソナタ 第13番 変ロ長調 K.333
  • ロンド ニ長調 K.485
  • 幻想曲 ニ短調 K.397
  • ピアノ・ソナタ 第18(17)番  ニ長調 K.576
  • ピアノ・ソナタ 第9(8)番  イ短調 K.310
  • ピアノ・ソナタ 第11番「トルコ行進曲つき」
  • リスト編曲:アヴェ・ヴェルム・コルプス(アンコール)

菊池はモーツァルト国際コンクールで日本人として初めて優勝。フォルテピアノの弾き手でもあるが、今回はモダン・ピアノを使用。

演奏は軽やかでキレがある。低音がしっかりと鳴り、きれいな音のピラミッドを形作る。達者で活きが良い。

ウクライナ(帝政ロシア)生まれの名ピアニスト、ウラディミール・ホロヴィッツは嘗て「東洋人と女にはピアノは弾けない」と言い放った。1965年にマルタ・アルゲリッチがショパン国際ピアノコンクールで優勝して以降、そんな妄言を吐く人間はいなくなったが、少なくとも彼女の登場以前、世間でそう思われていたことは紛れもない事実である。アルゲリッチ以前のイングリット・ヘブラーとかクララ・ハスキルとかは、単に「モーツァルトが得意なピアニスト」としてしか認知されていなかった。それは言い換えるなら「彼女たちが弾くモーツァルト以外のレパートリーは聴く価値がない」と見做されていたことを意味する。

僕が小学校4年生ぐらいの時に初めてモーツァルトのソナタを聴いたのも、ヘブラーが録音したLPレコードだった。「トルコ行進曲つき」を聴くと、否応なく幼少期の想い出が懐かしく蘇ってくる。それは母の懐に抱かれているような、ゆりかごでうたた寝をしているような感覚だ。

ニ長調のソナタK.576はスキップし、イ短調のソナタK.310は激しい感情が溢れ、決然と進行する。第3楽章は小林秀雄の論評「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない」がぴったりきた。「トルコ行進曲」は敏捷で、瞬発力があった。

菊池の解釈は、ヘブラーと比べると断然モダンでスタイリッシュ。次回は彼女のフォルテピアノも聴いてみたい。

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