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2018年5月31日 (木)

嘘つき野郎 ダニエル・デイ=ルイスの「ファントム・スレッド」とヒッチコック映画

評価:A

「ファントム・スレッド」の公式サイトはこちら。アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞。ほか作品賞・監督賞・主演男優賞(ダニエル・デイ=ルイス)・助演女優賞(レスリー・マンヴィル)・作曲賞の計6部門にノミネートされた。マーク・ブリッジスが衣装デザイン賞を受賞するのは「アーティスト」に続いて2度目である。彼の受賞スピーチが一番短かったということで、ご褒美にKawasakiのジェットスキーを獲得した。

Mark

上の写真、後ろに座っているのはプレゼンターのヘレン・ミレン。

Phantomthread

ダニエル・デイ=ルイスの引退作ということになっているが、声を大にして言いたい。彼奴(きゃつ)は大嘘つきである!僕は全く信じない。そもそも彼は1998年に突然、「役者を廃業して靴職人になる!」と宣言し、イタリアで修行を始めた。そこへマーティン・スコセッシ監督が足を運び、口説き落として「ギャング・オブ・ニューヨーク」で俳優復帰したという経緯がある。「リンカーン」で史上最多3度目のアカデミー主演男優賞を受賞した後もしばらく休業していた。今度はファッションデザイナーとして活動を始めると、ほざいているそうな……。アホか!彼奴(きゃつ)は宮崎駿や「トラフィック」のスティーブン・ソダーバーグ監督(引退宣言を撤回し「ローガン・ラッキー」で復帰)と同類(引退詐欺師)である。ほとんどビョーキだね。まぁ見ててみな、絶対戻ってくるから。そもそも靴職人とかファッションデザイナーとか、言うことが浮き世離れしているよな。支離滅裂だ。もう61歳だぜ!?

ポール・トーマス・アンダーソン監督は「マグノリア」とか「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」とか、ちっとも面白くなかったが、「ザ・マスター」(2012)で見直した。

「ファントム・スレッド」もスリリングでワクワクした!また言うまでもないが数々の衣装が素敵。ため息が出た。デイ=ルイスも文句なしに素晴らしい。男の色気がある。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」の山師とか、リンカーン大統領を演じた男と同一人物だなんて全く信じられない。気難しい役柄だが、見ていて微笑ましい。

本作は明らかにアルフレッド・ヒッチコック監督「レベッカ」(1940)の構造を踏襲している。【
デイ=ルイス演じるデザイナー(「ファントム・スレッド」)↔イギリスに大邸宅マンダレイを所有するマキシム(ローレンス・オリヴィエ「レベッカ」)】、【デザイナーの姉(「ファントム・スレッド」)↔マンダレイ家の家政婦長ダンヴァース夫人(「レベッカ」)】、【ウェイトレスからデザイナー夫人となるアルマ(「ファントム・スレッド」)↔上流階級婦人の付き人( lady's companion)としてモンテカルロでマキシムと出会い、結婚する「わたし」(ジョーン・フォンテイン「レベッカ」)】【デザイナーが見る母の幽霊(「ファントム・スレッド」)↔レベッカ(死者)】という変換がある。

そして物語後半、デイ=ルイス演じるデザイナーが毒キノコを食べさせられるのかどうか、というサスペンス演出はやはりヒッチコックが監督しジョーン・フォンテインが主演した「断崖」(1941)を彷彿とさせる展開になっている(ヒロインは果たして、夫から保険金目当てで毒入りミルクを飲まされるのか、否か?)。

最後に、ロックバンド「レディオヘッド」のメンバーでもあるジョニー・グリーンウッドが作曲した匂い立つような音楽がシックでこよなく美しかったことを力説しておきたい。彼は「ノルウェイの森」も良かった。

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