ワーグナー〈ニーベルングの指環〉第1日「ワルキューレ」@びわ湖ホール
3月3日(土)びわ湖ホールへ。ワーグナーの楽劇「ニーベルングの指輪」第1日「ワルキューレ」を鑑賞。昨年観た序夜「ラインの黄金」の詳細なレビュー及び作品論はこちら。4年間掛けて4部作を上演するプロジェクトである。2日間の公演ともにチケットは完売。
演出:ミヒャエル・ハンペ、美術・衣装:ヘニング・フォン・ギールケ、沼尻竜典/京都市交響楽団。
主な配役はジークムント:アンドリュー・リチャーズ、フンディング:斉木健詞、ヴォータン:ユルゲン・リン、ジークリンデ:森谷真理、ブリュンヒルデ:ステファニー・ミュター、フリッカ:小山由美 ほか。
前回同様、舞台前面にシルクスクリーンが張られプロジェクション・マッピングが効果的に用いられた。ハンペは奇を衒わず台本に忠実、つまりオーソドックな演出で、見応えがあった。現在流行りの「読み替え」演出は失敗することの方が多いので、こういう王道を往くのも、たまには悪くない。特に最後〈ヴォータンの告別と魔の炎の音楽〉は眠りにつくブリュンヒルデを予想以上に大きな炎が包み、びっくりした。
あと今回初めて気が付いたことがある。ライトモティーフ(示導動機)のひとつ〈愛による救済の動機〉とレナード・バーンスタイン作曲ミュージカル「ウエストサイド物語」の〈あんな男に〜私は愛している(A Boy Like That - I Have A Love)〉の後半部(アニタとマリアの二重唱)がそっくりなのである!!これ絶対オマージュだよね。因みにレニーは「ウエストサイド物語」の〈サムウェア〉にチャイコフスキーの幻想序曲「ロメオとジュリエット」の旋律(終結部のチェロ)も引用している。
ジークムントの声は線が細かったが美しかった。ブリュンヒルデは声量があり○。あとフンディング役の斉木健詞が豊かな低音で聴衆を魅了した。一般論として日本人歌手は低音が弱いので、希少な存在だ。沼尻の指揮は室内楽的なアプローチだった。
| 固定リンク | 0
「舞台・ミュージカル」カテゴリの記事
- 大阪桐蔭高等学校吹奏楽部 定演 2022/ミュージカル「銀河鉄道の夜」(再演)と「エリザベート」(2022.03.26)
- 映画「ウエスト・サイド・ストーリー」(スピルバーグ版)(2022.03.10)
- ミュージカル「蜘蛛女のキス」(2022.02.15)
「クラシックの悦楽」カテゴリの記事
- 武満徹「系図(ファミリー・トゥリー)-若い人たちのための音楽詩-」を初めて生で聴く。(佐渡裕/PACオケ)(2022.01.26)
- エマニュエル・パユ(フルート) & バンジャマン・アラール(チェンバロ) デュオ・リサイタル(2021.12.11)
- ミシェル・ブヴァール プロデュース「フランス・オルガン音楽の魅惑」Vol. 1(2021.12.10)
- 厳選 序曲・間奏曲・舞曲〜オペラから派生した管弦楽の名曲ベスト30はこれだ!(2021.09.17)
コメント