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2018年3月29日 (木)

ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」

3月6日(火)梅田芸術劇場へ。

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ウディ・アレンの映画「ブロードウェイと銃弾」は1994年10月に北米で公開され、僕は翌95年の日本公開時に映画館で観ている。正直それほど好きじゃなかった。後にアレン自身が台本を書き、ブロードウェイ・ミュージカルとして上演されたのが2014年。振付・演出は「コンタクト」「プロデューサーズ」のスーザン・ストローマン。当初音楽は「コーラスライン」のマーヴィン・ハムリッシュが担当したが、アレンが気に入らず、最終的に1920-30年代のジャズや流行歌から採用された。

福田雄一の演出は今回初体験。テンポが良くて華やかさもあり、中々良かった。浦井健治と城田優はコメディ・タッチの演技も上手く、とりわけ秀逸だったのがギャングの愛人オリーヴを演じた平野綾。おつむが足りない「アニメ声」の役だが、平野は何しろ「涼宮ハルヒの憂鬱」でハルヒの声を担当している。自家薬籠中の物だった。他に出演は前田美波里、ブラザー・トム、保坂知寿、愛加あゆ など。

映画より断然舞台版の方が面白かった。劇場こそ相応しい題材だったんだね。ウディ・アレンは「僕が考える最も優れたブロードウェイ・ミュージカルは 『マイ・フェア・レディ』『ザ・ミュージック・マン』そして 『ガイズ・アンド・ドールズ(野郎どもと女たち)』さ」と語っているが、NYを舞台にヤクザ稼業の面々が登場するという意味で「ガイズ・アンド・ドールズ」に非常に近い作品だなと思った。

また、当初敵対していた二人がいつの間にか共同作業で台本を仕上げる関係になるという点で、三谷幸喜の芝居「笑の大学」にそっくりだなと気が付いた。調べてみると
「笑の大学」が最初ラジオドラマとしてNHK-FMで放送されたのが1994年(舞台初演は96年)。両者の発表はほぼ同時期であり、どちらがどちらを真似たということもなさそうだ。正にシンクロニシティ(意味のある偶然の一致)である。

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