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尾高忠明/大フィルの奏でる武満徹とジョン・ウィリアムズ

2月9日(金)ザ・シンフォニーホールへ。尾高忠明/大阪フィルハーモニー交響楽団で、

【第1部】武満徹の世界

  • 3つの映画音楽(「ホゼー・トレス」から”訓練と休息の音楽”〜「黒い雨」から”葬送の音楽”〜「他人の顔」から”ワルツ”)
  • 夢千代日記
  • 「波の盆」組曲

【第2部】ジョン・ウィリアムズの世界

  • 「未知との遭遇」組曲
  • 「ハリー・ポッターと賢者の石」ヘドウィグのテーマ
  • 「シンドラーのリスト」メイン・テーマ
  • 「E.T.」フライング・シーン
  • 「ジョーズ」メイン・テーマ
  • 「スター・ウォーズ」メイン・テーマ

補助席も出て満席。会場内は熱気に満ち溢れていた。

何よりありがたかったのは武満徹の音楽を沢山聴けたこと。東京と比較すると関西で武満が聴ける機会は稀だ。大フィルも関西の作曲家、例えば大栗裕とか貴志康一の作品ならたまに「義務感」で仕方なしに演奏するのだが、関東の作曲家になるとからっきし駄目。黛敏郎とか芥川也寸志など皆無に等しい。京都市出身の松村禎三ですら1989年(平成元年)3月の定期で1回取り上げられたきりという惨状である。

だから武満と親交が深かった尾高が音楽監督に就任するのは大歓迎である。特に聴きたいのが究極の名曲「系図(Family Tree)  ー若い人たちのための音楽詩ー」。頼みまっせ!!!

ただ尾高が今年2月札幌交響楽団の定期で「ファミリー・トゥリー」を取り上げたときの語りは中井貴惠(60歳)だったのだが、どうか老人は勘弁して下さい。若い人たちのための音楽詩ーなので。日本の初演は遠野凪子(なぎこ)で、当時15歳。今なら上白石萌音/萌歌 姉妹あたりを推薦しておく(萌歌は山田和樹/日本フィルで「系図」の経験あり)。

ホゼー・トレス」は劇的でダイナミック。「乱」はオーボエ・ソロが諸行無常を嘆き、無意識・混沌が描かれる。

武満が「乱」の音楽を担当した時、黒澤明はロンドン交響楽団かハリウッドのスタジオ・オケを起用するよう要望した。それに対し武満は岩城宏之/札幌交響楽団がいいと主張、喧嘩になった。結局武満が黒澤を札幌のホールまで連れていき音を聴かせたところ、漸く納得したという。そんなエピソードを尾高は披露した。

ノスタルジックな「波の盆」は塗り薬がひたひたと傷口から体内に浸透し、全身をゆったり癒やすような雰囲気。

ジョン・ウィリアムズの世界では会場に来ている子供たちをステージに上がらせ、奏者の間近で聴かせた。これが前衛的な「未知との遭遇」というのがイカしてる!尾高は確信犯だね。

ハリー・ポッターはチェレスタの後の繊細な最弱音がキレッキレだった。

E.T.は流麗。

大フィルの「スター・ウォーズ」は大植英次・音楽監督時代に何度か聴いているのだが、今回の演奏が最もレベルが高かった。これはホルン首席・高橋将純氏の功績が大だろう。大植時代に高橋さんはいなかったからね。

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