映画「パディントン2」
評価:A
6歳の息子と一緒に吹き替え版を鑑賞。
公式サイトはこちら。
映画の続編が第1作目を超えることは滅多にない。1%もあるかどうか疑わしい。例外として真っ先に思い浮かぶのがクリストファー・ノーランの「ダークナイト」。あとコッポラの「ゴッドファーザーPART II」、ジェームズ・キャメロンの「エイリアン2」「ターミネータ2」もあるが、これらは前作も傑作なので超えたかどうか微妙。むしろ同等の完成度と言うべきだろう。「パディントン」にはそんな稀なことが起こった!
まずアメリカのサイトRotten Tomatoes(腐ったトマト)の評価を見てみよう。
第1作 評論家の評価が98%、観客の満足度が80%。
これが第2作では評論家100%、観客90%に跳ね上がっている。
日本での評価はどうか?スマホアプリWATCHA(5点満点)での平均は「パディントン」が3.5、「パディントン2」が4.3となっている。因みに僕は「パディントン」3.5、「パディントン2」4.5にした。
喋るクマさんを侮るなかれ。パディントンとは、いまヨーロッパ(EU諸国、イギリスは離脱交渉中)が悩みに悩んでいる移民のメタファーである。
彼の口癖は"If we're kind and polite, the world will be right."日本語にすると「もし僕らが人に親切で礼儀正しく接すれば、世界は適切/公正に扱ってくれる」となる。そして彼は持ち前の徳で、世間の不寛容(intolerance)という壁を突破してゆく。鮮やかな脚本(ほん)だ。
本作最大の魅力は飄々としたヒュー・グラントだろう。落ちぶれた役者役で変装の名人。実に愉しそうに演じているのが凄くいい。彼のキャリアの中でもベスト・アクトではないだろうか?
対して第1作の悪役だったニコール・キッドマンはユーモアが乏しかった。ビバ!ヒュー。
それからパディントンが飛び出す絵本の中に入り込んだり、主な舞台となるのが移動遊園地というのも素敵だね。これぞファンタジーの王道だ。
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