笑福亭鶴瓶落語会 2018@兵庫芸文
1月28日(日)兵庫県立芸術文化センターへ。
- 笑福亭鶴瓶:鶴瓶噺(Stand-up comedy)
- 笑福亭由瓶:鉄砲勇助
- 桂吉弥:七段目
- 笑福亭鶴瓶:妾馬(八五郎出世)
- 笑福亭鶴瓶:徂徠豆腐(そらいどうふ)ネタ下ろし
鶴瓶は開口一番「いま楽屋で週刊文春の記事を読んでました。僕のことが載っていると聞いたので。(桂)文枝兄さんの件とちゃいますよ」(会場笑い)。
彼は1月初旬に前立腺精密検査目的で入院した(結果は良性)。退院後、週刊文春の直撃取材を受けたそう。前立腺ということも調べ上げられており、その取材力に感心したと。「あの人たちは下半身のことに煩(うるさ)いんです。容赦しません」
吉弥は戌年にちなみ、故・桂枝雀のSRから「犬」と「定期券」をマクラで紹介(その中身はこちら)。そしてハメモノの入る芝居噺を得意とした師匠・吉朝譲りの鉄板ネタ「七段目」へ。
鶴瓶の「妾馬」は昨年の落語会でも聴いた。「一年間、これで全国を回ってきたので、どう変わったかその成果を聴いてください」と。軽妙で可笑しい。この人情噺は演者が泣かせにかかるとホトホトうんざりさせられるのだが、鶴瓶の場合そんなことは一切ない。家族に乾杯Ver.というか、こざっぱりして嫌味がない。good !
「徂徠豆腐」は江戸中期の儒学者・荻生徂徠の逸話。元は講談ネタ。鶴瓶がこれを演ろうと思った切っ掛けは、近頃の政治家が信用出来なくなってしまったからだという。彼は住民票が西宮市にあるので、テレビで号泣した県議とか、新聞記者に暴言を吐いた市長とか……。「投票した時は若くていい人に見えたんです。見かけだけじゃ判りませんねぇ」そして雑誌の対談で会った中曽根康弘・元総理とか、野中広務・元官房長官がどれだけ立派な人たちであったかを語った。
立川志の輔がこれを高座に掛けているのを聴いて気に入り、志の輔に上演許可を貰おうとしたら「あ、あれは僕のじゃないんです」と別の師匠を紹介された。面識はなかったが電話を掛け、ツマガリ@甲陽園のケーキを送ったと(ここで会場がドッと沸く)。
清々しいネタ。鶴瓶は「お直し」とか「山名屋浦里」など若い女性(花魁)を演じると違和感ありまくりだが(大阪のオバチャンにしか見えない)、こういうのは良い。一聴の価値あり。
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