映画「勝手にふるえてろ」と松岡茉優の変遷
評価:A+
映画公式サイトはこちら。
松岡茉優、22歳。彼女が出演する映画を初めて観たのは「桐島、部活やめるってよ」(2012)だった。同年の「悪の教典」も観たが、全く記憶に残っていない。未だに彼女がどの役を演じたのか判らない。そんな影の薄い女だった。松岡茉優という名前を意識し始めたのは宮藤官九郎が脚本を書いたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(2013)からである。ちなみに彼女の役どころは全国の地元アイドルから選抜されたグループGMT47のリーダー・入間しおり。しかし「アメ女」センター役の足立梨花の方が断然可愛かった(GMT47は「アメ女」の2軍)。ここでの松岡の印象は”不細工な娘(こ)”。余談だがGMT47は当然AKB48のパロディで、後年結成されたAKB48:チーム8は逆にGMT47をモデルにしている。
彼女に対する評価が180度転換したのが映画「ちはやふる ー下の句ー」。クイーンとして眩いばかりに光り輝いていた。
さて、「勝手にふるえてろ」である。原作は史上最年少19歳という若さで芥川賞を受賞した「蹴りたい背中」の綿矢りさ、脚本・監督:大九明子。ガーリーパワー(女子力)が炸裂している。
無様でみっともない恋愛映画だ。でもそこが愛おしい。こんなタイプの作品、観たことない!特に後半、松岡が突然歌い出す場面(ミュージカル仕立て)は本当に痛々しく、本作の白眉である。彼女がダサ可愛くて最高だ。ヒロインの友人役を務める石橋杏奈もすごく良かった。
あとロックバンド「クイーン」のボーカリスト、故フレディ・マーキュリーをめぐるギャグには大爆笑したのだが、若い観客には理解出来たのだろうか?
本作は12月18日に公開されたので、昨年の映画。しかし拙ブログのベスト選や個人賞は既に発表してしまったので、今年の枠に無理やり入れることにする(大林宣彦監督「花筐」も同様)。そして現時点で2018年の主演女優賞は松岡茉優に決めた!余程のことがない限り、この決定が覆ることはないだろう。
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