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2018年1月24日 (水)

再び、明日海りお主演 宝塚花組「ポーの一族」へ!

1月19日(金)有給休暇を取り、宝塚大劇場へ。

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初見のレビューは下記。

大好きな作品だが、2回目でより一層深い感銘を受けた。座席の位置も大いに関係しているだろう。前回は1階席21列目で今回は10列目だった(SS席は7列目まで)。観劇は近ければ近いほど良い。当たり前のことだ。

平日にも関わらず満席。しかも立ち見がざっと数えて80人くらい!びっくり仰天である。

言葉を尽くしてもこの作品の魅力を伝えることは不可能だ。兎に角観てください、それしかない。

エドガー役の明日海りおと、アランを演じる柚香 光がヴィジュアル的に完璧、申し分ない。萩尾望都による原作漫画でエドガーは14歳という設定なのだけれど、何の違和感もない。ちゃんと(妖しい)少年がそこにいた。そしてメリー・ベル役の華 優希がお人形さんみたいで超かわいい!!ウットリ見惚れた。「人は見た目が100パーセントby 桐谷美玲)は100%真実である。少なくとも宝塚歌劇においては。娘役トップ・仙名彩世は大人の魅力だね。シーラ・ポーツネル男爵夫人は美貌で男を誑(たぶらか)かす/籠絡する悪い女だから。←褒め言葉

改めて太田 健の手による楽曲はやはり素晴らしい。どんどん転調して凝っている。それに引き換え寺田瀧雄の「ベルサイユのばら」とか「風と共に去りぬ」なんか単調すぎて聴くに堪えない。昭和演歌の世界だね。宝塚歌劇は着実に進化を遂げている。

僕は当初、台本・演出の小池修一郎が何故「エリザベート」のリーヴァイとか「スカーレット・ピンパーネル」のワイルドホーン、「ロミオ&ジュリエット」のプレスギュルヴィックらに作曲を依頼しないのだろうと訝しんだ(今の彼の実力なら断られないだろう)。何しろ構想32年のライフワークである。しかし2回目の観劇でその理由が判った気がする。小池は原作の台詞をそのまま活かしたいと考えていた。萩尾望都が作詞したものもある。とすると詞先(しさき)方式で楽曲を制作するしかない。日本語のニュアンス、自然なイントネーションを外国人作曲家に正確に伝えるのは非常に困難な作業になる。その点、「NEVER SAY GOODBYE」とか「眠らない男・ナポレオン」「グレート・ギャツビー」の場合、曲先方式で何ら問題はない。予め出来上がった楽曲のメロディに合わせて、小池が作詞を調整することが出来るわけだ。恐らくそういった事情だったのではないだろうか?因みにNHKのドキュメンタリー番組で知ったのだが、AKB48グループや坂道シリーズ(乃木坂46/欅坂46)の作詞をする際、秋元康は全て曲先方式を採っている(1,000曲ほどストックがあるデモ音源から毎回選曲をする)。

大階段が登場しフィナーレの舞台が華麗に展開され、芝居がはねたあとも現実世界に戻ってくることがとても困難だった。帰途についても身体がふわふわして足が地に着かないもどかしさを感じる。僕の宝塚初観劇が宙組「エリザベート」1998年で今年が20年目なのだけれど、こんなことは前代未聞、全く初めての体験だった。小池版「ポーの一族」恐るべし!この作品には魔物が潜んでいる。この世のものではない。

真面目な話、今年度の菊田一夫演劇賞 大賞はこれで決まりじゃない?

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