デュメイ&横山幸雄/フレンチ・カーニバル!〜関西フィル定期
11月23日(祝)ザ・シンフォニーホールへ。オーギュスタン・デュメイ/関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴く。ピアノ独奏は横山幸雄。
- フランク:ヴァイオリン・ソナタ(デュメイ&横山)
- サン=サーンス:ピアノ協奏曲 第2番
- ドビュッシー:前奏曲集 第2巻 第6曲「風変わりなラヴィーヌ将軍」
(ソリストアンコール) - ベルリオーズ:序曲「ローマの謝肉祭」
- デュカス:交響詩「魔法使いの弟子」
- ビゼー:「アルルの女」よりアダージェット(アンコール)
関西に居ながらにして、世界で第一級のヴァイオリニスト・デュメイの演奏をしばしば聴く機会があるのは幸福なことだ。
フランクのソナタではピンと張り詰めた線があり、激しさと力強さが交差する。第4楽章の春の訪れと共に緊張感が少し緩む。そこには物語がある。
サン=サーンスは過小評価されている作曲家だと常々想っている。日本は無論のこと、(フランス以外の)ヨーロッパでも。イギリスのオケやベルリン・フィル、ウィーン・フィルはドビュッシーやラヴェルをしばしば演奏するが、サン=サーンスは滅多に演らない。皆無に等しい。彼の曲を聴く度に、「才気が迸ってるなぁ!」と感じる。ただ「知」が勝りすぎて「情」が乏しい側面は確かにあるので、不人気なのはそこが原因なのかも。つまり聴き手が感情移入出来ないわけだ。ピアノ協奏曲 第2番もJ.S.バッハ「平均律クラヴィーア曲集」を彷彿とさせる厳粛なピアノ独奏から開始され、そこから浪漫派の潮流の中に一気に聴衆を運び去る傑作。溜めて歌わせる演奏に酔い痴れた。
ベルリオーズは活発で歯切れよい。すばしっこくちょこまか動く。
デュカスでは冒頭の繊細な弱音に魅了された。魔法が効くと音楽はスキップし始める。速いテンポで切れ味鋭い解釈に、万雷の拍手が送られた。
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