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2017年11月30日 (木)

関西弦楽四重奏団/ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 全曲演奏プロジェクト始動!

11月27日(月)ザ・フェニックスホールへ。関西弦楽四重奏団によるベートーヴェン・ツィクルスが始動した。

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  • 弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調
  • 弦楽四重奏曲 第10番 変ホ長調「ハープ」
  • 弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調

今回は全て長調の作品が並べられた。次回取り上げられる3曲は全て短調の予定。

ベートーヴェンのカルテットを聴くという行為は、深い森を探索することに喩えられる。それも鬱蒼と木が生い茂った仄暗い森である。その最深部は言うまでもなく第13−15番だ(第16番に至ると、明るい場所に浮上する)。四重奏曲に比べれば、偉大な9つの交響曲もせいぜい「林」程度と言えるだろう。

僕は弦楽四重奏団でいちばん重要なのは低音部のチェロだと想っている。次にヴィオラ。ヴァイオリンの実力に関しては団体間でそんなに大差ない。関西弦楽四重奏団の場合、上森祥平のチェロが非常に雄弁で、しっかりと土台を支えている。京都市交響楽団首席奏者である小峰航一のヴィオラもよく鳴る。

第1番は優雅で貴族的。暖炉の温もりが感じられ、音に厚みがあった。

全体として丁々発止としたやり取りが展開され、緊密なアンサンブルを堪能した。全曲、聴きに行きます。

ただ少し気になったのは、相変わらず曲によって第一・第二ヴァイオリンの奏者が交代していたこと。民主的であることが芸術的に正しいかどうかは分からない。仲良しグループの余暇活動じゃないんだから。もっと上を目指すんだったら、そろそろ覚悟を決めたほうが良いんじゃないだろうか?例えば楽曲ごとにAKB48のセンターが交代したら、そこに運営の迷いを感じ、観客は萎える。それと同じことだ。固定すべき、というのが僕の意見だ。

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