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カティア・ブニアティシヴィリ登場!広島交響楽団定期

11月15日ザ・シンフォニーホールへ。

フィンランドの指揮者ハンヌ・リントゥと広島交響楽団で、

  • ストラヴィンスキー:葬送の歌
  • チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番
  • バルトーク:管弦楽のための協奏曲

ピアノ独奏はジョージア(昔はグルジアと呼ばれていた)生まれのセクシー・ダイナマイト、カティア・ブニアティシヴィリである。

Hiro

1909年に初演後、ロシア革命などによる混乱のため楽譜が行方不明になっていたストラヴィンスキー「葬送の歌」は2015年にたまたま発見され、16年12月にゲルギエフ指揮により100年以上の時を経て蘇演された。これを日本のオケが演奏するのは今回初だそう。バレエ音楽「火の鳥」の”子守歌”を彷彿とさせるような曲調だった。

チャイコフスキーのピアノ協奏曲は超有名曲だが、意外にも生で聴く機会は少ない。調べてみたら僕は何と6年ぶりだった。

ブニたん(「ブニ子」と呼ぶ人もいる)は人魚仕様の赤いドレスで登場。指が鍵盤の上で、活きのよい魚のように弾ける。大胆でありながら、同時にしっかりコントロールされた、「飼いならされた激情」を発散する。有名な序奏部を経て、気忙しい第1主題はまるで民族舞踏のよう。展開部に至ると軽やかなギャロップとなる。第2楽章は繊細。第3楽章ロンドはすばしっこいネズミを想起させる。リントゥの指揮はキレッキレだった。

広響のコンサートマスターは以前、大阪フィル第2ヴァイオリン首席奏者だった佐久間聡一(35)。コンチェルトの後、ブニたんとちゃっかり抱擁(hug)している彼を見て「役得だな!」と感心することしきり。他の楽員たちがニヤニヤしているのが可笑しかった。

ソリストのアンコールは、

  • ドビュッシー:月の光
  • リスト:メフィスト・ワルツ第1番「村の居酒屋での踊り」

「月の光」は音と音の間隙に多くを語らせる、間の力能があった。

バルトークのオケコンは曲の冒頭にコントラバスが奏でる音のうねりが大地の唸り声のようで、ニーチェが言うところの「デュオニソス的」だなと感じた。あくまで根を張るように低く水平に広がる世界。故にハルサイ(ストラヴィンスキー「春の祭典」)に繋がっている。それに対してラヴェルやプーランク、メシアンなど20世紀フランスの作曲家たちは「アポロ的」と言えるだろう。垂直に上昇して蒼穹(メシアンの場合は神)を目指す。ここでのリントゥは楽句(フレーズ)ごとの性格の描き分けが巧みだった。おぬし、なかなかやるな。

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