映画「ドリーム」レビューと、邦題が起爆剤となった大炎上について
評価:A
映画公式サイトはこちら。
原題は"Hidden Figures"つまり「隠された姿」という意味で、NASAでアポロ計画に先立つマーキュリー(有人宇宙飛行)計画に携わった3人の黒人女性にスポットライトを当てる。アメリカ本国で興行収入は「ラ・ラ・ランド」を上回ったという。アカデミー作品賞ノミネート。また全米俳優組合賞では作品賞に該当するキャスト(アンサンブル演技)賞を受賞した。
元々日本の映画宣伝部が考案したのは「ドリーム 私たちのアポロ計画」だった。
ところがこの邦題を巡ってSNSで大炎上!「マーキュリー計画」なのに「アポロ計画」は変じゃないかと抗議が殺到したのである。「マーキュリー計画」は日本人に馴染みがないというのが宣伝部の言い分だった。事態は一向に収まる気配がなく、結局タイトルはシンプルに「ドリーム」に変更となったのである。ネット民の一方的勝利であった。しかし「ドリーム」じゃ全く意味不明だな。まぁ一時期は日本公開も危ぶまれていただけに、たとえ炎上商法であろうが話題になることは良いことだ。やはりアカデミー作品賞にノミネートされたデンゼル・ワシントン製作・監督・主演「フェンス」は本邦で劇場未公開のままビデオ(DVD)スルーとなってしまったのだから。
「マーキュリー計画」を描いた映画では「ライトスタッフ」(1983)という不朽の名作があるので、未見の方には是非是非ご覧になることをお勧めしたい。
「ドリーム」は兎に角、痛快な実話である。胸がスカッとする。女性映画として極めて上等といえるだろう。
ケビン・コスナーを本当に久しぶりに見た!調べてみると僕が最後に観た彼の映画が1994年の「ワイアット・アープ」だから、実に23年ぶり。昔は嫌いだったけど、脇に回って味が出てきた。
本作の男たちは「前例がない」と口々に言い、女性・黒人に対する差別を平然と続ける。しかし「前例」は自分たちで作り、歴史に名を刻めばいいと映画の作者たちは力強く語るのだ。カッケー!
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