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2017年7月10日 (月)

「メアリと魔女の花」〜魔法の正体

2014年末にスタジオ・ジブリの制作部が解体され、「思い出のマーニー」「かぐや姫の物語」のプロデューサー西村義明と、「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」を監督した米林宏昌(愛称:麻呂/「千と千尋」カオナシのモデルでもある)はともにジブリを退社、ふたりが立ち上げたのがスタジオポノックである。ponocとはクロアチア/セルビア語で「深夜0時」を意味し、新たな一日のはじまりを告げている。その第1回作品が「メアリと魔女の花」だ。

評価:B+  公式サイトはこちら

Thelittlebroomstick Little

の「思い出のマーニー」に対し、本作はだ。相変わらずキャラクターデザインに魅力がないのは痛いが、躍動感がある。

キャッチコピーが「魔女、ふたたび。」言うまでもなく宮﨑駿の名作「魔女の宅急便」を受けた表現である。ただ本作の主人公が魔女になれるのは、1日限定という大きな違いがある。

「アリエッティ」は最終興収が92.5億円に達し、2010年度の邦画興行収入第1位となった。また「思い出のマーニー」は米アカデミー賞で長編アニメーション部門にノミネートされた。これらの栄光が麻呂ひとりの功績でないことくらい、本人は重々承知している。スタジオ・ジブリというブランド力、そして背後に宮﨑駿という稀有の天才の威光があったからこそ成し得た偉業である。

では魔法=ジブリ(宮﨑駿)が消えてしまった時にどうするか?その決意表明が本作であると言えるだろう。

箒で飛ぶ魔女と黒猫は「魔女の宅急便」で既出だし、雲の上の魔法学校は「天空の城ラピュタ」を彷彿とさせる(”龍の巣”に突っ込む場面も再現される)。ラピュタのロボット兵(「ルパン三世」のラムダ)によく似たのも登場する。麻呂はジブリにいた19年間で培ったノウハウを全て本作にぶちまけた。二番煎じと囁かれるのは覚悟の上、もう貯金は空っぽ。

映画の終盤にメアリは叫ぶ。「魔法を使えるのはこれが最後!」この言葉は「バケモノの子」で九太(=細田守)がバケモノの熊鉄師匠(=宮崎駿)に言う台詞「俺のやることを、そこで黙って見てろ!」に呼応する。

本当の勝負はこれからだ。

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にわか魔法少女の大冒険。 ひょんなことから一晩だけ魔女となった、自分に自信のない女の子が、魔法界のマッドサイエンティストの暴走を止めため、不思議な世界で冒険を繰り広げる。 「思い出のマーニー」の西村義明プロデューサー、米林宏昌監督ら嘗てのスタジオジブリのスタッフが中心となって立ち上げた新会社、スタジオポノックの第一作。 英国の作家、メアリー・スチュアートの小説「The Little...... [続きを読む]

受信: 2017年7月12日 (水) 21時58分

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