クァルテット・エクセルシオのクインテット@いずみホール
5月19日いずみホールへ。
クァルテット・エクセルシオとミシェル・ルティエク(クラリネット)、堤剛(チェロ)で、
- モーツァルト:クラリネット五重奏曲
- シューベルト:弦楽五重奏曲
- ギヨーム・コヌソン:ディスコ=トッカータ
(クラリネット&チェロ 編) アンコール
ルティエクのクラリネットはふわっと柔らかい響きで優しい。心地良かった。
シューベルトのクインテットは村上春樹がシエスタ(昼寝)のお供として聴いていることで有名。彼の愛聴盤はヨーヨー・マとクリーブランド弦楽四重奏団によるCDだという。僕が普段よく聴いているのは①ベルリン・ブランディス弦楽四重奏団+ウェンシン・ヤン②アルバン・ベルク四重奏団+ハインリッヒ・シフ③ラルキブデッリ(バロック・チェロ奏者アンナー・ビルスマ率いるガット弦による弦楽アンサンブル)。特にベルリン・フィルのコンサートマスターだったトーマス・ブランディスを中心とする①がお気に入り。
今回のシューベルトは兎に角クァルテット・エクセルシオがいただけない。音が弱々しく、頼りない。慎重すぎて守りに入り、覇気がない。もっと大胆さが欲しい。第2楽章アダージョは弱音で開始される主部と、中間部の激しさにコントラストが足りない。第3楽章スケルツォはテンポが遅く、ぬるま湯につかっているよう。緊張感に欠け、寝ぼけた音楽に成り果てている。総評としてガットが弛んでボールを打ち返す力を失ったテニスラケットのような演奏で、ゲストの堤剛が浮いていた。彼らのコンサートに足を運ぶことはもう二度とないだろう。
結局、最も生き生きして聴き応えがあったのはクァルテット抜きのアンコールという情けなさ。なお、帰宅して調べてみるとギヨーム・コヌソン(Guillaume Connesson, 1970 - ) はフランスの現代作曲家らしい。愉しくて気に入った。
僕が今まで聴いた日本人による弦楽四重奏団で、最高だったのはモルゴーア・クァルテット。次点が関西弦楽四重奏団。でかなり落ちてクァルテット・ベルリン・トウキョウ、ロータス・カルテット、最低がクァルテット・エクセルシオ。そんな感じかな(解散した東京クヮルテットは除く)。
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