映画「3月のライオン」後編
評価:A
実写映画版の前編はNHKで放送されたアニメ版の第1シリーズ(全22話)と物語の進行がほぼ一致する。後編の方は今年10月から放送予定のアニメ版 第2シリーズに相当するパートであり、しかも原作が完結していないので最後は映画オリジナル仕様だという。しかしそんなことは微塵も感じさせず、パーフェクトな大団円を迎えた。実に素晴らしい。特にクライマックスは3組の対決を同時進行で描くのだが、そのカットバック(=クロスカッティング:異なる場所で同時に起きている複数シーンのショットを交互につなぐ演出法)はまるでコッポラの「ゴッドファーザー」シリーズを彷彿とさせる。なんてゴージャス!
また役者が適材適所なんだよね。3姉妹のアンサンブルも見事だし、有村架純、伊藤英明、加瀬亮、佐々木蔵之介、伊勢谷友介らが画面の中でしっかりと生身の人間として息づいている。ただ、染谷将太演じる二階堂が映画では消化不足。慢性腎不全で幼少期から透析をしているという設定が全く生かされていないのが残念だった。
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